「男が家事・育児、いいじゃないか!」主夫として生きる男性が見つけた人生の豊かさ
男性は仕事第一の生き方を求められがちだが、中には家庭の優先度を上げ、家事と育児をメインで担う「主夫」を選ぶ男性がいる。
専業、兼業を問わず家庭に重きを置いた暮らしを経験した3人の30代男性に、主夫になったきっかけやメリットについて聞いた。
「専業主夫になることに抵抗はまったくありませんでした」と語るのは、河内瞬さん(@syufu_desu)。現在は主夫業に加え、ブログや漫画で発信している。
以前は会社員をしていたが、職場環境に不満を抱え、退職を考え始めていた。そんなとき、専業主婦をしながら資格取得をしていた妻が「働きに出たい」と言うようになったため、夫婦で役割を変えることにした。
「私たちの場合、夫婦の希望が一致していたので展開がスムーズでした。私はもともと家事も育児もしていたので、なんとかなると思っていました。勤務先には詳しい退職理由を告げていないので、主夫になることに反対する人は誰もいなかったです」
こうして専業主夫としての生活が始まったが、河内さんはあまりの忙しさに驚く。
「起床後は朝食を準備して、子どもたちを起こしてごはんを食べさせ、洗濯や買い物、掃除をします。ひと息つく暇もなく、夜は献立づくりですよ。それらを、子どもを見ながらするので大変です。
家事と育児が交互または同時に発生する生活が、延々と続くわけです。出口のないトンネルをずっと歩いている感覚でした。はっきり言って、これを一生続けるのは無理だなと心の底から感じましたね……。そのときの驚きは、いまでも鮮明に覚えています」
自分で選択して専業主夫になったものの、生活や家庭内での役割の変化のほか、多忙な日々で疲れた気持ちの整理がうまくできず、葛藤したことがある。
悪戦苦闘する河内さんを見た妻が発した「SNSで発信したらどう?」との提案に、河内さんは希望を見出す。
「ブログを開設して、そこに日々の生活で感じたイライラや悩みを吐き出すようになりました。同じような悩みを抱える人とオンラインで共有するうち、気持ちが楽になっていきました。
それまでは頭の中を家事と育児が占めていたのですが、ブログ発信を通じてストレスが和らぎました。一日中家のことをしていると、息が詰まってきますからね。家事と育児以外に打ち込めることを見つけたから、主夫生活をここまで続けられたと思います」
悩んだ時期はあったが、河内さんは「家族の中心にいる感覚があります」とメリットを語る。自宅中心の生活を送ることで子どもと接する時間が圧倒的に増え、成長を目の当たりにすることで、「自分は家族の一員である」との気持ちが強まったことも大きい。
妻は「働きたい」、私は「主夫になりたい」お互いの希望が一致
子どもとの時間が増え、「自分が家族の中心にいる感じがする」
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