パタヤのバー街。ゴーゴーボーイはバンコクとパタヤに多い
東南アジアは全般的に男性より女性が勤勉だと言われる。文化的な背景や人々の気質から楽観的な男性が多い一方、女性は家族や子どもを養わなければならないという現実的な問題もあり、よく働くのだ。タイも同様で、女性の社会進出は日本とは比較にならないほど進んでいる。日系企業を含めて外資の大手企業でも役職に女性が就いていることは珍しくない。
しかし、日本の女性も近年は行動的になってきおり、その一片がタイのナイトシーンで垣間見えるようになった。
タイの首都バンコクは昭和の頃から聖地をもじって「世界3大性地」などと言われていたようにナイトスポットが多い。
もちろん、近年のタイは、ビジネス拠点として日系企業や日本人起業家たちが訪れるようになり、また海外旅行先としてたくさんの人が訪れるのでだいぶ変化したが、2000年代初頭は独身男性がタイに遊びに行くと言うと夜遊びを楽しみに行くのではないかと疑われたものだ。
そんな男性にとってのナイトスポットだったタイが今、日本人女性の遊び場にもなりつつある。それも、洒落たパブやクラブで踊り明かすといった遊び方だけではなく、男性同様、タイの「性」を楽しむ女性が増えているのだ。
近年はTwitterやFacebook、Instagram、ブログで個人が情報発信をすることが当たり前になった。そういった女性がSNSなどで赤裸々にタイの夜を語り始めている。匿名で情報公開できることから、これまでも多くの日本人男性が体験談を他者に見せることはよくあったが、自慢が前面に出ているか、非日常的な背徳感が滲むタイプが多かった。しかし、女性の語りは実にあっけらかんとしていて、爽快感すらある。そこに日本人女性のパワーを感じずにはいられない。
確かに、十数年前からタイ人男性を目当てにタイに来る日本人女性は少なからずいた。それ以前ならインドネシアのバリ島にビーチボーイを目当てに行く人がいたように、タイ南部のリゾート地プーケット近辺に行く女性もいたし、バンコクのナイトバーで売春男性を探す人もいた。そういった女性の層にも変化が見られるのだ。
プーケットのバー。田附氏のSNSは過激内容故にアカウント凍結が多いが、Twitterなら連絡が付きやすいという
バンコクに日本人向けに特化したナイトスポットがある。日本のキャバクラに似たシステムで遊べるタニヤというエリアで、ここに夜遊び好きで知らない人はいないという人物がいる。自身を「世界のタズヤン」と呼ぶ田附裕樹氏(Twitter ID:
@hikaruko0723)だ。氏は男性向けのカラオケクラブを経営する。サービスタイムに女性が服をはだける、いわゆる「おっパブ」をバンコクで初めて始めたのだが、驚くべきことに、氏の店の顧客の一部は日本人女性だったりする。
なぜ日本人女性がタイのおっパブに来るのか。そして、夜の世界の表も裏も知る田附氏に日本人女性の夜遊びはどう映るのかを訊いてみた。
「昔は年配の女性が男を買いに来るという印象だったのが、年々若い女性が増えてますね。最近は20代がほとんどです。平均年齢は20代中盤から後半くらいでしょうか。職業はバラバラですが、水商売経験者が比較的多い印象です」
日本人女性が田附氏の店に来るのは女性目当てではなく、田附氏に会いに来ている。タレントに会いに来るようなニュアンスもあるが、彼女たちの本当の目的は氏に
夜の店を案内してもらうことだという。