東京都HP、小池知事「知事の部屋」より
先日、東京オリンピックのマラソン会場が突然、札幌に変更されることになり、小池百合子都知事が激怒したのが話題になりました。(参照:
毎日新聞)
たとえ会場の気温が40度になろうとも、たとえ選手や観客がどれだけ熱中症で倒れようとも、小池知事にとって東京開催は譲れません。なにしろ、道路を工事したのも、あそこにマンションを建てられるようにしたのも「東京オリンピックでマラソンをやるからだ」という大義名分があったのに、今さらマラソンをやらないのにセコセコと工事をしていたとなれば、マヌケ以外のナニモノでもありません。
ましてや、マラソンをやるとあらば、42.195kmにわたって警備が必要になります。どこで変態が乱入してカメラに向かってナニを出してくるか分からないし、ナニだったらまだしも、刃物や爆弾だったら困るわけですから、警視庁もフル稼働でしょうけど、警備員の数だって半端じゃありません。実は政治家にとって、この「警備にたくさんのお金がかかる」というのが最も大切なことで、このお仕事をどの会社に振ってあげるのか。これこそが日頃からさまざまな政治家先生の皆様に、本当の「お・も・て・な・し」をしている企業への見返りです。オリンピックでマラソンをするとなったら、一体、どれだけのお金が動くのか。そう考えると、この利権を札幌に持って行かれるのは、とっても大きなことなのです。
今となっては多くの人が忘れてしまったかもしれませんが、東京五輪は半径8km以内で行われ、ほとんど移動の必要がなく楽しめる
「コンパクト五輪」というコンセプトでした。
海外からやってきた観光客の皆さんは、仮にタクシーで移動したとしても、さほど高くない料金と移動時間でさまざまなスポーツのハシゴを楽しめるはずでした。
「なんて素敵なオリンピックなんだ!」と思いきや、野球やソフトボールは福島県、ゴルフは埼玉県、サーフィンは千葉県と外に広がり、とうとうマラソンを見に行こうと思ったら北海道まで行かなければならなくなりました。
当初の話ではマラソンを見るにしても、近隣のホテルに宿泊していれば、タクシーで少し行けば見られたという話ですが、今はマラソンを見ようと思ったら、一旦、飛行機に乗り遅れないように時間の余裕を見ながらリムジンバスや電車で羽田空港に向かい、荷物を預け、手荷物検査を済ませ、新千歳空港行きの飛行機に乗り、荷物をピックアップし、札幌行きのエアポート快速に小1時間ばかり揺られ、札幌駅に到着し、そこからタクシーでマラソンを見られるポイントまで移動する。
閉会式も見ようと思ったら、その逆の行程を踏まなければならない完璧なる「旅行」です。半径8km以内と言われていたものが、今となっては半径800kmになっているんですから、コンパクトさの欠片もありゃしないという話です。
しかし、これというのも招致の段階で開催予定日は7月下旬から8月上旬と東京がもっとも暑い時期だというのがわかっていたにも関わらず、”この時期の天候は晴れる日が多く、且つ
温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である”(出典:
東京五輪立候補ファイルpp13)などと大嘘をぶっこいていたのだから、そのツケが回ってきただけに過ぎません。全ては適当なこと行って招致した連中の責任です。