小池百合子都知事2期目出馬濃厚!? 今だからこそ振り返りたい「東京五輪のマラソン会場騒動」

スタート時刻でモメていた

 最初から東京五輪の開催期間はわかっていたわけですから、マラソンに限らず、さまざまな競技がめちゃくちゃ暑い中で開催されることぐらいはわかっていたはずです。  東京都が「暑さ対策」として計上している予算は約80億円。このお金を使って行われる暑さ対策は、人工雪を降らせる、アサガオを並べる、事前にサウナに入って暑さに体を慣らすでした。 「人工雪を降らせる」は、トライアスロンの競技が行われるお台場で実験が行われ、ただ湿度が上がって余計に暑苦しく感じるばかりか、カメラマンが氷に足を滑らせてコケるハプニングが発生。3つの中では一番涼しくなりそうなのに、体感温度を上げるだけの逆効果という結果に。 「アサガオを並べる」は、温度を下げる効果はまったくないのですが、いい大人たちががん首揃えて「見た目は涼しい」と言い出す始末。  最後の「サウナに行って体を慣らす」は、お医者さんたちも「効果的だ」と言っているらしいのですが、そりゃサウナに比べたら東京の気温なんて涼しく感じるでしょう。だって、サウナの室温は80度とか90度なので、仮に東京の気温が40度だったとしても涼しく思えるでしょう。  でも、「サウナに比べれば、こんなものは全然暑くない!」と本気で言っている奴がいたら、そいつの頭に氷水の一つもぶっかけてやった方がいいです。  小池百合子都知事と言えば「打ち水」で有名ですが、42.195kmのマラソンコースに打ち水をするのは大変なので、実は、マラソンにおいては有効な暑さ対策ができないままでした。  一応、東京都医師会などがスタート時刻を5時30分以前に早めれば熱中症のリスクを下げられるといい、スタート時刻がジリジリと早くなり、最終的には「深夜3時にスタートさせてはどうか」と、日本にいながら真面目にブラジル並みの時差を作り出そうとする大人まで現れました。  しかし、一体、誰がそんな時間にマラソンを見るのでしょうか。だいたい深夜3時にスタートするなんて、アスリートにとっても調整が難しいです。深夜3時にベストコンディションを持ってくるためには、昼の3時ぐらいに寝て、夜の11時ぐらいに起きて、何ゴハンだか分からないゴハンを食べ、深夜にストレッチをしたりして、午前3時に体のピークを持ってくるのです。世界の超一流アスリートに新たな調整を試させる。スポーツには「アスリート・ファースト」という基本があり、小池百合子さんもかつては「都民ファースト」を掲げていたはずです。深夜3時に走るのは、アスリートにも都民にもファーストではないただの「利権ファースト」です。結局、すったもんだをしているうちに、IOC(国際オリンピック委員会)が森喜朗会長や橋本聖子五輪担当大臣らと相談をして、札幌開催を決めてしまったのでした。

マラソンのチケットを買った人たちの困惑

 かつて沢田研二さんが「動員が少ないから」という理由でライブを中止をして、めちゃくちゃバッシングをされましたが、男子マラソンなら6000円のチケットを買い、新国立競技場で42.195kmを走ってきた選手たちがゴールする瞬間を見届けようと思っていた人たちは、沢田研二どころではなく振り回されています。  下手をすれば午前3時に走り出すかもしれず、眠い目をこすりながら徹夜で見せられる覚悟だったかと思ったら、今度は札幌に行けと言われる。札幌に行けないんだったら払い戻しにも応じるけど、その時は2~3か月かかるというのです。しかも、男子なら6000円なんですが、女子の場合は他の競技との合わせ技になっているため、マラソンがないから払い戻しというわけにはいかず、高いお金を払ってボリュームをショボめにされる始末です。 「こんな詐欺みたいな商売をしてて良いのかよ!」とツッコまずにはいられませんが、東京五輪を開催していただくために巨額のマネーを積み、さらにはインフラ整備などで兆単位のお金を突っ込み、それでいてチケットの販売はグダグダで、金額だけ一人前。これはもう責任者出てこいというレベルなんですが、出てくるのが森喜朗先生。ホゲホゲした爺さんがウダウダ言うだけで終わりです。オリンピックが素晴らしいものかのように持ち上げられていますが、どうせ庶民はテレビで見るだけなんだから、日本じゃなくても変わらないという話です。
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