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新元号「令和」となった2019年もあと一ヶ月と半分くらいを残すだけになった。
来年は2020年。21世紀もすでに5分の1になるというから驚きだ。
こうして西暦を考えるとき、ふと思うのが「XX年問題」のこと。考えてみれば1999年から2000年になるときに「Y2K」、すなわち「2000年問題」が騒がれた以降、実は毎年のように「20XX年問題」があったことはご存知だろうか?
Y2K以降、どのような「20XX年問題」があったか? それらの一部を振り返り、いま現在その問題がどうなっているのか? そして2020年にはどのような2020年問題があるのかを紹介したい。
飛行機墜落や世界恐慌まで不安視された2000年問題
「20XX年」問題の元祖ともいえるのが、「2000年(Y2K)問題」。コンピュータが日付を取り扱う際、西暦を下2ケタで処理していたシステムが多かったため、“2000年”を“1900年”と認識してしまうことでさまざまな誤作動が起きるのではないかと懸念されたのは40代くらいの人には懐かしい話かもしれない。
1999年の「ノストラダムス大予言」以降、久々の「世紀末ネタ」だったこともあり、停電や医療機器の停止、飛行機の墜落、ミサイルの誤発射などの危険性が現実的なリスクを超えて、必要以上にセンセーショナルに報道された。
しかし、実際に年が明けて2000年を迎えても、特に大きな混乱は起きず、拍子抜けしたと思った人は多いのではないだろうか?
もちろん、「何も起きなかった」のは、「何も問題がなかった」からではない。エンジニアの多くがY2K問題対応に従事し、周到に対策が行われた結果である。日本では昭和から平成への改元などのタイミングで事前に2000年問題にも対応されているケースがあったことなども要因だという。
決して表に出てこない、対Y2K問題に邁進したエンジニアたちに最大限の敬意を払いたい。
ちなみに、翌年の2001年には2001年9月9日問題というものも存在した。これは「10億秒(s1g)問題」とも言われるもので、コンピュータの時刻管理の基準である1970年1月1日からの経過秒数が、2001年9月9日にちょうど10億秒で10ケタとなり、表示限界の9ケタを超えるためコンピュータが対応できなくなる、と言われていたものだ。
こちらは、2000年問題で拍子抜けしたこともあってか、メディアはほとんど騒がずに、実際には大きなトラブルは起きなかった。