取材を終える際、小柄な方の教団関係者にコメントを求めた。
――今日のコメントは?
「言うわけないでしょ」
――どう思ったかを。
「自分たちも正義感を持ってやってるんでしょうけど、それぞれ価値観があるわけですが、我々今日は正直……迷惑」
――今日来てくれた政治家に対して
「言うわけないでしょ、私はそういう立場じゃないですから」
――2年前に菅原大臣が来たようですが、そうなんですか?
「そんなこと言うわけないじゃないですか、ほんとくだらない質問だな。私がそれに対して答えを出すわけないでしょう。私が正直その方と親しかったらまだあれですけど、そんな私、親しいわけじゃないし」
――2年前に来ていたって聞いてます?
「言う必要ないでしょ」
――菅原一秀さんはご存じですよね?
「そりゃ有名でしょう、
メロンとか蟹とか」
――教団青年部が(菅原の)選挙に協力したという話があるが
「私は知らないですよ、私は。その方の考えがいろいろあると思うので」
――きっかけがこの会ではないかと
「それはどこかから情報を仕入れてきたわけでしょ」
感想を述べる教団関係者、”カニメロン大臣”と統一教会の関係については口をつぐむ
こうして統一教会による政治家への働きかけの一端が明らかとなった。
地盤(支持後援組織)・看板(肩書・地位・知名度)・鞄(資金)の“3バン”を持たない政治家にとって、
後援会を結成し事務所スタッフから選挙運動員まで必要な人員を派遣してくれる統一教会はありがたい存在だ。菅原のようにピンポイントで選挙運動員や演説会の聴衆の数合わせに使う政治家も多い。その
見返りは秘密裏に教団イベントへ来賓出席するだけだ。
今回は地方議員を対象にした懇親会だったようだが、もちろん地方議員だからといって見逃してよいわけではない。事実、地方議員時代から後援会を結成して”育て上げ”、お抱えのまま国政選挙を経て紐付きのまま国会に送り出すパターンもある。
その一人であり衆議院議員となってからも緊密な関係を続けていた自民党の故白石徹(愛媛)の様な例は多いとされる。何度も白石を韓国へ連れて行きマンツーマン研修で教義「統一原理」を仕込んでいた教団にとって白石の病死(2017年3月、悪性リンパ腫により死去)は痛手だった。
〈参照:
教祖夫妻の写真が飾られた壇上で挨拶する現職国会議員、統一教会との“ずぶずぶの関係”が発覚|やや日刊カルト新聞〉
公募議員など“3バン”を持たない政治家もターゲット
また、山本朋広防衛副大臣のように、公募から公認され議員となった政治家もターゲットだ。“3バン”を持たない公募公認候補だった山本の後援会も統一教会関係との指摘がある。
〈参照:
直撃取材に警察を呼んだ“自己防衛”副大臣|HBOL〉
なお、今回の件について菅原前経産相の事務所に質問書を送ったが期限までに回答はなかった。(文中一部敬称略)
なお、今回の取材のやり取りを動画にて公開している。
<鈴木エイト(やや日刊カルト新聞主筆) 取材協力・写真/藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)・Twitter ID:
@daily_cult3>