献血ポスター論争、見落とされているもう一つの視点。問われる日赤の倫理規範

秋葉原の献血ルーム

秋葉原献血ルームakiba:Fを施設外から撮影。2019年10月21日編集部撮影

献血ポスター批判・擁護論を巡る3つの論点

 今月に入り、日本赤十字社による献血コラボレーションポスターが話題です。当初は、TwitterなどのSNSでの論争でしたが、先週頃から一般メディアに波及し、収束の様子が見えません。  今回のポスターに関して論争となっていることは、概ね二つで、その論点は次に集約されます。 a)女性の描き方(女性表象)が性差別的であり、見る側への環境セクシャルハラスメントにあたる b)コラボレーションイベントで献血者(ドナー)に渡されるグッズ(記念品)が過剰な”報酬”にあたるのではないか  上記二つの論争の中で、更に次の三つ目の論点が少なからず現れたのが目に付きました。 c)売血制度にすれば良いではないか  a)については、HBOLにおいて北守(藤崎剛人)氏が論じていますので、本稿では触れません。昨今では、もはや石礫(いしつぶて)どころか糞尿をまき散らす、千早・赤阪城攻防戦の様相ですが、北守氏により非常に良く論考されていると思います。  b)については、後述もしますがアルコールや換金性の高い特殊景品のようなものでなければ基本的に問題はないというのが筆者の考えです。趣味性の高いものは、ヤフーオークションやメルカリで高額換金できるという意見も見かけますが、二束三文に終わる可能性もきわめて高いオークションでのごく小規模の個人間取引は、考慮する必要は無いと考えます。  c)については後述します。  筆者は、件の「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボレーションキャンペーンポスターをしっかりと見たとき、「あぁ、これはやっちまったな、作品がかわいそう」という感想を持ちました。  それはなぜかについて本稿では論じます。

ポスターから受けた強い違和感

 少子高齢化による若者の急速な減少もあり、ドナーの最大供給源と言える10代後半から20代を対象とした様々なイベントが行われています。現状では、とくに血液製剤向けの供給が慢性的に不足気味であり、つねに逼迫していると言って良いと思います。  これが今回のコラボポスター騒動の一つの背景と言って良いでしょう。  筆者は、地方在住かつ、自身の海外居住履歴などの為に血液のドナー(血液提供者)から外れている為、今回のコラボポスターの実物を見る機会はありません。従って、公式ホームページと冒頭にも挙げた編集部撮影の実物写真をもとに論じます。  このポスターを初めて画像として見かけたとき、すでに激しい論争と化していた女のコの描写よりも吹き出しの中の台詞に献血制度の根幹に関わる非常に強い違和感を抱いていました。数日この違和感が何であるか考えていたのですが、幾つかの会話で非常に不味い事に気がつきました。これはイラストの作者でなく、依頼側の日赤が主体となる問題といえます。
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コラボポスターのセリフに見る倫理綱領からの逸脱
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