元職員を直撃! 日本全体で毎月130億円を「売り上げ」る、技能実習「監理団体」の闇

都会イメージ

まちゃー / PIXTA(ピクスタ)

奴隷労働が横行する技能実習制度で甘い汁を吸う連中

 現在、日本で働く外国人労働者が増加している。特にアジアの途上国から多額の借金をして日本に出稼ぎに来る技能実習生と留学生が急増している。だが、夢見た日本で待っているのは「奴隷労働」である。  保守言論誌『月刊日本』では、保守の立場からこの問題を常に追及。1か月の給料がマイナス2万円の明細書という衝撃的な実態を描き、「低賃金」どころか「無賃金」という奴隷労働の実態を浮き彫りにした第一回は大きな衝撃を与えた。  そして前回は、技能実習制度は「現代の奴隷制」であると問題提起をした。その中心を担うのが、監理団体の存在である。  もともと監理団体とは、「技能実習生の実習活動の監理を行う非営利団体」である。監理団体にもいくつか種類があるが、その大半は中小企業団体(事業協同組合)だ。現在、監理団体は国による許可制になっており、2019年10月時点で認可法人「外国人技能実習機構」(OTIT)から許可を受けた監理団体は全国で2654ある。  この監理団体がさまざまな問題を起こしているのは周知の通り。しかしその実態はあまり知られていない。本誌も監理団体の調査を中々進めることができなかったが、今回、監理団体の元職員に話を聞くことができた。今月号では、その内容を紹介しながら、監理団体の実態に迫りたい。

監理費の総額は毎月130億円

――どういう団体に勤めていたのか? 「私がいたのは関東で建設業などを中心とする監理団体だ。実習生の人数は約3000人、契約企業の数は北海道と沖縄を除く全国400社で、監理団体としては最大規模だ。いま監理団体は全国に2600ほどあるが、1000人規模の団体は5%以下。500~1000人規模もそれほど多くなく、大半は100~500人規模だろう」 ――売上と年収は? 「職員は約100人で、年収は役員1000万、営業500万、一般職300~400万、事務300万くらいか。監理団体は『非営利団体』だから営業は禁止されているが、企業に対する営業はどこもやっている。非営利の監理団体に売上はないが、資金収入は年10億円以上、資金残高は年3000万円程度。この辺の数字が監理団体としての資金収入の上限だろう」 ――監理団体をめぐるカネの流れはどうなっているのか? 「入国前のカネの流れから話そう。まず監理団体は加入企業から入会費、年会費をもらう。相場はピンキリだが、それぞれ1~10万程度。これは大した額ではない」 「大きいのは初期費用だ。監理団体は企業から実習生一人当たり30万円程度の初期費用をもらう。内訳は紹介料8~10万円、入国前の費用6万円、実習生の渡航費6万円、入国後の費用13~14万円といったところか。しかし、ここには裏がある。実は、入国前の費用と渡航費は実習生が借金で払っているから、これらは監理団体がピンハネしているわけだ。実習生は基本的に3年で帰国するので毎年3分の1の実習生を入れ替えることになるが、実習生を一人入れる度に毎回20万円以上の利益が入ってくるということだ」 ――入国後のカネは?  「そこが一番儲かる。最大の収入源が管理費だ。これは技能実習の期間中、監理団体が企業からもらう費用で、実習生一人当たり毎月3~5万円程度。たとえば管理費が4万円だとすると、実習生300人で毎月1200万、500人で2000万、1000人で4000万。うちは3000人いたから、管理費だけでも毎月1億2000万入ってくる計算だ。もっとも管理費は監理団体から送り出し機関にも月5000~1万円ほど支払われている」
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非正規ルートの小遣い稼ぎに「エア監査」
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月刊日本2019年11月号

特集1【汚れた原発、腐臭を放つ日本】
特集2【消費増税のカラクリあなたの所得が大企業に奪われる】
特集3【アメリカの代弁者・小泉進次郎】
特別対談【危機に直面する保守政治】
自民党衆議院議員・石破茂
東京工業大学教授・中島岳志

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