「闘う弁護士」堀鉄平。不動産投資でも連戦連勝の「一人デベロッパー」手法を語る

堀鉄平

(c)RINGS Co.Ltd

たった一度の取引で億単位の利益を出す

 仕入れた物件は完成時利回り6%前後となるように開発を行い、キャップレート(期待利回り)4%台前半での売却を目論む。利回りだけだと、その規模感を実感しにくいが、「4億円かけた物件が6億円で売れる」イメージで、一回の取引でサラリーマンの生涯年収を稼ぐことも珍しくない。 「買い主は、会社をM&Aで売却してお金がある人や、資産家で安定資産を好む人、投資ファンドなどさまざまです。『利回り4%の物件なんて売れない』と考える方もいますが、利回りの世界に生きていない人たちがいる。所有欲を満たし、将来の値上がりも期待でき、そもそも節税や相続対策などが目的なので、この利回りでも十分買ってもらえるわけです」
撮影/岡戸雅樹

撮影/岡戸雅樹

 堀氏が投資対象と考える物件は土地代金と建築費で安くても1億円程度。平凡な年収、一般的な保有資産ではすぐに手を出すことは現実的ではない。しかし、現時点では金銭的に恵まれた環境になくても、不動産で人生を変えることは可能だと堀氏は語る。 「もし私が普通の会社員で年収500万円、貯金300万円だったら地方築古物件の再生でまずは頑張ります。利回り15%のボロいアパートに指値を入れ、利回り20%くらいで仕入れて再生。それをパッケージ商品が好きな人たちに売る。それを繰り替えして売却益を2000万円くらい貯めれば、今の私の手法での投資に移行して、ステージを変えられると思います」  実際、堀氏が主宰する不動産投資塾には地方物件を売却して自己資金を用意したサラリーマン大家もいるとのことで、個人が「一人デベロッパー」に成り上がる道筋は確かに存在するようだ。 「これは不動産投資に限らないですが、まずは目標を定めることが大切です。『年金対策』『節税目的』『お金持ちになりたい』といった目標に応じて、その結果を出すためのルールを学び、最適な戦略を立てましょう。不動産投資は専門性の高い分野だと思われがちですが、基本的なルールさえ把握できれば、あとは要所要所でプロの力を借りることができます。そうしてチームを組んで投資していけば、不動産の世界で結果を出すことはそう難しくないはずです」  リングから不動産投資へと舞台を移しても、闘う弁護士のファイティングスタイルは健在のようだ。 <堀氏が手がけた物件> ①港区六本木  投資額 1億5000万円  売却額 2億3000万円 ②渋谷区南青山  投資額 4億4000万円  売却額 6億2000万円 ③港区白金  投資額 1億円  売却額 1億3000万円

<堀氏の型破り投資術>

①地方の築古ではなく都心一等地に新築を建てる ②商業用地ではなく戸建て用の土地を狙う ③欲しい物件に出合ったら指値も入れず即買い付け
撮影/岡戸雅樹

撮影/岡戸雅樹

【堀 鉄平氏】 弁護士法人Martial Arts代表。ブラジリアン柔術をバックボーンとした格闘家でもある。’12年より不動産投資を開始。主宰する不動産投資塾の体験セミナーが開催中 取材・文/栗林 篤 ― [闘う弁護士大家]の型破り不動産投資 ―
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会