「水を運ぶ人」から「便をもらう人」へ。鈴木啓太の挑戦

鈴木啓太氏

現役時代は、オシムから「水を運ぶ人」と評され、絶大な信頼を寄せられていた鈴木啓太氏

「水を運ぶ人」が起業家として活躍

 サッカー元日本代表の鈴木啓太といえば、浦和レッズ一筋でプレーを続け、献身的なプレースタイルからオシムに「水を運ぶ人(チームのために献身的に走るボランチを評しての言葉)」と呼ばれ、強く信頼されていた選手だった。  そんな彼は、2015年から新たなフィールドでのチャレンジを始めている。それが「起業家」としての人生だ。  鈴木氏が創業したAuB(オーブ)株式会社は、アスリートの腸内環境を研究するスタートアップ企業だ。これまでアスリート500人以上の便をもとに研究を重ねた結果、アスリート特有の腸内環境を発見。その知見をもとに独自の腸内細菌素材「アスリート菌ミックス」を開発し、その素材をベースに一般向けに開発したサプリメント「AuB BASE」を販売することを10月2日の記者発表会で発表した。

活躍のために「便を見ていた」現役時代

「選手時代を通じて、腸内環境によってパフォーマンスが変わることを僕自身が実感していました」  便がスッキリ出ると、体が動きやすいと感じ、残便感が残ると思うように体が動かないことを身をもって体験してきたという鈴木氏。 「筋肉に硬さを感じたり、不調を覚えたときは、お腹にお灸をすえてほぐすといったこともしていました」と、ハードな現役時代のコンディションづくりを腹で整えていたと明かす。  彼が「腸内環境」に拘っていたのは一朝一夕の話ではない。それは幼少の頃に遡る。  調理師の資格を持つ母に「人間は腸が一番大事」「便を見なさい」と言われて育ったのだ。加えて高校時代から腸内細菌を整える乳酸菌サプリメントを飲み、食事を暖かい緑茶で終える、冷たいものを控える、といったことを心掛けてきた。海外遠征時にも必ず緑茶と梅干を持っていくことを徹底していたと明かす。プロになってからも、コンディションの確認方法は毎朝「便を見ること」だったという。
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セカンドキャリアは「うんち、ちょうだい」から始まった
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