駅員の学生バイト、過半数が「バイトなしでは生活できない」
首都圏学生ユニオンは8月1日、駅員として働く学生アルバイトの実態調査の結果を発表した。調査は今年5~7月にかけてインターネットで実施。全国の鉄道会社で働く現役の学生アルバイトと学生時代に鉄道会社でバイトをしていた人の計110人から回答を得た。
回答者にアルバイト代の使い道を複数回答で聞いたところ、「趣味・娯楽」が89.1%と最も多かったものの、「生活費」も67.3%に上った。「学業」も23.6%だった。
またバイトなしで学生生活を送ることができたかどうか聞くと、「おそらくできない」が30.9%、「できない」が20%で、計50.9%が「できない」と答えている。
東京私大教連の調査によると、2018年度に大学生が受け取った仕送りの金額は、1か月当たり8万3100円で過去最低だった。仕送りが減るなか、バイト代を稼がなければ、生活費や学費を工面できない学生が数多くいることが伺える。
「人身事故が起きると3~4時間は残業を強いられる」
小田急で働く学生(中央)と首都圏学生ユニオンのメンバー
駅員のアルバイトをしていて、学業に支障が出ることが「よくある」と答えた学生は10.9%、「たまにある」は36.4%だった。「それほどない」の24.5%もあわせると、7割以上の学生は学業に支障をきたしたことがあるとわかった。
具体的には、どのような影響があるのか。小田急電鉄でアルバイトをしている大学4年生の男性は、「トラブルが発生すると残業を強いられる」と話す。
「人身事故が起きると、運転再開に関する問い合わせに応じたり、振替輸送を利用する乗客に対応したりしなければならず、帰れなくなるんです。運転を再開し、ダイヤを元に戻して混乱が落ち着くまで大体3~4時間は残業をしなければなりません。帰宅するのが遅れたり、家に帰れなくなったりすることも。朝に人身事故が起きれば、大学の授業に出席できなくなることもあります」
こうしたことが起きるのは、人員の配置が少ないのが原因だ。たとえトラブルが起きても、学生バイトが残業を強いられないよう、人員を増やすことが求められる。