秋田で応援演説の小泉進次郎氏を直撃。「イージス・アショアになぜ触れないのですか?」

進次郎氏を直撃、「触れていないことは、他にもいっぱいある」

小泉進次郎氏秋田にて 筆者は、秋田新幹線で2か所目の街宣場所に移動しようとする進次郎氏を直撃、「(秋田で)イージス・アショアについて触れなかった理由は何ですか。大きな争点じゃないですか」と聞いてみた。  進次郎氏は、筆者の方をちらりと見て「触れていないことは、他にもいっぱいありますから」と反論。すぐにスタッフが間に入って引き離された。  スタッフに引き離されながら「秋田の重要な問題じゃないですか。イージス・アショアについて一言」と声を張り上げたが、進次郎氏は無言のまま改札口に入っていった。  そこで、最後(3か所目)の街宣を終えて車に乗り込んだところを再直撃。「イージス・アショアに触れなかった理由は何ですか」と同じ質問をぶつけた。  ここでも「触れていないことは、他にもいっぱいありますよ」という回答。「秋田が攻撃対象になるじゃないですか。アメリカのシンクタンクの『CSIS(戦略国際問題研究所)』の論文を読みましたか? イージス・アショアが『太平洋の盾』になると。ハワイを守る前線基地になるんじゃないですか」と窓越しに声をかけたが、無回答だった。

進次郎氏はかつて所属していたCSISの論文を読んでいないのか

寺田静香候補秋田にて

告示日の第一声でも、イージス・アショアの秋田市配備反対を訴えた寺田静候補。ほとんど触れない中泉候補との違いは明確だ

 進次郎氏はかつて、CSISで研究員をしていた。イージス・アショア関連記事で何度も紹介してきた論文「太平洋の盾:巨大なイージス駆逐艦としての日本列島」を出したCSISに在籍していたのなら当然、進次郎氏は論文に目を通し、秋田と山口がハワイとグアムの米軍基地を守る米国防衛の前線基地として機能し、有事の際に専制攻撃対象となってしまうことは知っているはずだ。  それなのに進次郎氏は、生命や安全や財産が脅かされる可能性のある秋田県民を前にして、説明責任を果たそうとしなかったのだ。  告示6日後の7月10日、2回目の滋賀選挙区入りをした進次郎氏を再直撃。走り去る車の窓越しに「CSISの論文は読んでいないのですか」と同じ質問をぶつけたが、この時も無言のままだった。  トランプ大統領に「NO」と言えない対米従属の安倍首相がイージス・アショア購入を決定、日本国民の税金を米国軍需産業に貢いでいる。そればかりか、日本領土の一部を米国本土の防衛基地として献上するに等しい“下僕外交”を目の前にしてもなお、進次郎氏が口をつぐんでいるのは、将来の総理候補としては情けないのではないか。  父親の小泉純一郎・元首相は、安倍首相に対して「原発ゼロ社会を目指すべきだ」と真っ向から批判し、原発推進政策からの転換を訴えている。息子の進次郎氏が「米国益第一・日本国民二の次」の安倍政権(首相)に対して、異論を唱える日は来ないだろうか。 <取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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