では、いかにしてカラ売りをマスターすればいいのか? 基本は順張りだ。
「カラ売りを覚えると、値上がりしている銘柄を逆張り(売り)したいと考えがちですが、これは最もやってはいけないこと。理論上、買いのリスクは限定的ですが、売りのリスクは無限ですから。仮に6000円のトヨタが潰れたら株価は0円になるのですが、理論上は無限に上昇する可能性がある。だから、売りのリスクのほうが高いと言われる。実際にはずっと値上がりし続ける銘柄などありませんが、強い上昇トレンドが発生している場合には、上げ続けることも少なくありません。上げ止まって下げトレンドに転換したのを確認して売りで入るのが基本です」
相場氏が主に見ているのは日足と週足のチャート。表示しているのは、5日、20日、60日、100日、300日という5つの移動平均線(SMA)だ。100と300SMAが右肩下がりであれば下落トレンドにある証拠なので、20や60SMAに下からタッチして下げに転じたら売るというスタンスでもいいだろう。問題は長期SMAが横ばいで上に行くのか下に行くのか判断のつかない銘柄だ。
「そういうときはチャートの形状をチェックしましょう。日足で見て直近高値を更新できず、安値を切り下げてきたら買いの勢いが衰えている証拠。陽線が並ぶ週足が陰線に変わり、日足で20・60のSMAが下向きに転じてきたら下げに転じるサイン。売りをしかけましょう。その後再び上昇を始め、日足で直近高値を上抜いてきたら損切り、高値更新できず下げ始めるようなら売り増すのもいい。トレンドが明確になれば日足ベースで7~9日は下げ続ける傾向があることを頭に入れておけば、利益を伸ばしやすくなるでしょう」
【長期のトレンドに逆らわずにカラ売りすべし】長期移動平均線が下向きなら下落トレンド。ローソクが下から長期線にタッチして反落するようなら下落トレンド継続で売りの好機に。長期線を上抜けたら損切り
ただし、これはあくまで基本。実際には相場氏は買いポジションを保有してリスクをヘッジしながらカラ売りをしかけるという。
「慣れてきたら、NYダウや金、原油などの先物に手を広げるといいでしょう。個別株よりも市場参加者がはるかに多いのでチャートが読みやすい」
これで、あなたも今日から“カラ売りスト”に!?