カラ売りの達人が語る「売り」の魅力とポイント

 日経平均は平成最後の4月相場で2万2000円を回復したものの、その後下げ調子。米中衝突で主要通貨も下げ基調。買えば儲かる金融商品はまず見当たらない。こんな状況で稼ぐには売りしかない。下げ相場でも稼ぎ倒すカラ売りマスターたちの手法を魂に刻むべし!

【「借りて売る」カラ売りの仕組み】カラ売り時には「借りてきた株を売る」。そのため、通常の制度信用取引では6か月以内に買い戻して株を返却する必要がある。株を借りる以上、「貸株料」が発生する

株には「売られる」必然性がある!? 売りの魅力を解説

 株式投資の王道は安値で買うこと。上昇トレンドにある銘柄が一時的に利益確定の売りに押されたタイミングで押し目買いを入れる、というスタンスの個人投資家が多いだろう。だが、足元の全体相場は下げトレンド。おまけに、今期の上場企業全体の業績予想は2期連続の減益と振るわない。個別の材料で動きやすい中小型株はともかく、アベノミクス相場初期の「主力株を買っておけば値上がりする」という時代は過ぎ去った。そこで今こそマスターしたいのが、カラ売りだ。 「実際、売りのほうが稼ぎやすいですよ。私の稼ぎの70%もカラ売りによるものです」  こう話すのは個人投資家であり、3000人の生徒を抱える「株塾」塾長の相場師朗氏。なぜ、「売りのほうが稼ぎやすい」のか? 「株には買われる必然性はなくても、売られる必然性はあるからです。買った人はいつか必ず売るんですから。ヘッジファンドなどはカラ売りを仕掛けて下げたところを買っていくという手法も取るので、実際には買われる必然性(売りの買い戻し)もあるのですが、個人投資家の多くが現物の買いで稼ぐスタンスであることを考えれば、売られる必然性のほうが高い。大半の人は『売るために買っている』んです」  そのため、下落局面では上げ相場を上回る速さで下げやすいという。

株は上げるときよりも下げるほうが早い

トヨタの直近のチャートを見てもわかるように、値上がりしたあとに訪れる下げ相場は値上がり期間よりも短い。買いよりも売りのほうが短期間で利が乗りやすいと言える

「買いから入る投資家が圧倒的に多いから、カラ売りに押されて下げ始めると、買い方の利益確定売りや損切りを誘発。それが新たな投げ売りを呼んで、上げるときよりも早く下げやすいんです。これはネット証券が出てきて以降の特徴です。昔は預け入れ残高が2000万円以上ないと信用売りができないという証券会社が大半でしたからね(苦笑)。だから、年配の方ほど『カラ売りをしたことがない』という人が多い。しかし、もはや買い一辺倒の投資で稼げる時代ではありません。日経平均もNYダウも頭打ちで、主力株の上値は重い。一度売り物が出ると、『一定の値幅下げたら売りで追随する』といったアルゴリズムで自動売買を行うファンド勢の大口売りも生じて急落することが多い。短期間で値幅が取れるので、売りのほうが資金効率が高くなっているんです」
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