韓国講演で語った東電と国の放射能汚染水を巡るでっち上げ。コロラド博士、韓国をゆく
前回、民弁(民主社会のための弁護士会)と韓国脱核エネルギー学会創立準備委員会の共催、生命・脱核シルクロードの後援でソウルにて行われた「日本の原発汚染水に関する専門家招請講演会」について執筆しましたところ、大きな反響をいただいています。
配信先ではコメント欄が大いに盛り上がり、なぜか全く読まずに長々とコメントする方など、超能力者が多数現れております。私は、ヨミ様の大ファンなので、ぜひ紹介してください。ヨミ様のもとの世界平和のために邁進します!
予想を超えて記事が大好評なため、執筆者は「やる気満々!」です。
韓国市民の福島第一「放射能汚染水」海洋放出問題に対する懸念は日本側で考えられているより遙かに深刻なものといえます。日本ではこれを「科学的におかしな事」と言う人がかなり見られますが、日本がチェルノブイル核災害後に見せたエキセントリックな反応に比べれば、まだましではないかと私は考えています。
さて、京郷新聞のインタビューとこの講演会での質疑を元に、韓国市民が何を憂慮しているのか、考えるのかを列挙します。
1) 国際的に問題視されている「放射能汚染水」海洋放出をなぜ日本政府は行おうとするのか?
2) 我々韓国人の食べ物に放射能が入ってくるのではないか?
3) トリチウムの人体への危険性は?
4) WTO裁定で韓国が勝ったがそれをどう考えるか?
5) 福島核災害は本当に終息するのか?
他にも技術的なものを含めて多くの質問が寄せられましたが、重要なものはこの5点でしょう。要するに、公害問題としてはごく当たり前の疑問と憂慮を持たれているのです。当然ですが、同様な疑念を環太平洋諸国から持たれていると考えるべきでしょう。要は、日本人はどうして公害物質を海に捨てようとしているのかと疑念を持たれているのです。
福島核災害の各種問題を核公害問題であると認識するか否かでこの問題への対応が大きく変わりますが、これは核公害問題であると私は断言します。
15時ちょうどに牧田の講演が始まりました。この講演は、次の8つで構成されています。
1) 導入編 福島核災害にて、なぜ放射能汚染水が発生するか?/そもそも「放射能汚染水」とはなにか
2) 提案された「トリチウム水」処分方法と問題点
3) 対案としての「長期保管処分」とその課題
4) トリチウムはなぜ発生するのか
5) トリチウムの身体への影響
6) 「トリチウム水」処分におけるヒノマルゲンパツPA(Japan’s Voo-doo Nuclear Public Acceptance, JVNPA)
7) WTO裁定の日本政府
8) 日本に福島核災害の収束能力はあるのか
用語のぶれがありますが、福島第一のタンク群の中にある水について、現在次の3つの表現があります。
「トリチウム水」
2018年8月30~31日公聴会まで使われていた呼称。実はそのほとんどが基準値を超える放射性多核種汚染水であった。
「放射能汚染水」
今回、韓国側で使われている呼称。日本政府、東電、NRAとヒノマルゲンパツPA(JVNPA)によって強く拒絶されている呼称であるが、実態をよく表している。
「(ALPS)処理水」
2018年8月に河北新報によって「トリチウム水」が、放射性多核種汚染水であることをスッパ抜かれて*以降、言い換えが進んでいる呼称。多核種除去装置(ALPS)で処理したあとの水と言うことで定義は最も正確だが、信用を失ってしまい、「だからどうした」と言われてもしかたない。<*参照:”<福島第1原発>処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度”−河北新報>
本稿では、この3つの呼称を主体によって「」付きで使い分けながら並行して使います。混乱しやすいですが、すべて同じものです。
「放射能汚染水」海洋放出問題への韓国市民の懸念
講演で語った8つのテーマ
この連載の前回記事
2019.05.31
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