“もうどんどん原子力はもうやめたっていうのが出てくるのが普通の経営判断、なんですね。それはもう金銭的な事を考えれば。”
まさにこれによって合衆国では、低成績の原子炉は淘汰が進み、好成績の原子炉は運転年数を延ばしています。そうした地道な努力の結果として今の合衆国があり、そして新・化石資源革命と再生可能エネ革命によって石炭火力と原子力が淘汰されつつあります。これにより合衆国は参加していない京都議定書以降の温暖化対策目標を2015年以降、概ね達成しているとされます。
一方で日本では、
愚劣な原子炉運用のあげくに福島核災害を起こし、たいして厳しくもない新基準を「世界一厳しい基準」僭称したあげく、わずか8年で財界総理と称する原子炉メーカー会長が“まず法律からっていう姿勢はちょっとやめましょうよって”と公言し、その背後には福島核災害の主犯組織である資源エネルギー庁、経済産業省、電力事業者があるわけです。
原子力界の人ならざる「猿」(Ape)である日本を象徴する記者会見といえます。
質問4. については、所属組織と質問者名が聞き取れませんでした。また、要領を得ない非常に散漫な質問ですので、そのまま中西氏の回答を見てゆきましょう。
“その事業体がどういう市場環境に置かれるかっていう状況が大きく変わったんで、そういう意味で投資が止まっちゃった”
これは
当たり前で、福島核災害、原子力ルネッサンスの消滅、新・化石資源革命、再生可能エネ革命により、原子力発電所の再稼働の見込みはいつまでも立たず、強く期待した再度の「規制の虜」は拒絶され、追加投資は膨れ上がり、アベノミックスによる日本経済への致命傷によって電力消費も縮小の一途です。資本費と運転管理費といった固定経費がコストの8割を占める原子力にとり、最悪の経営環境であり、本来ならば投資効率の悪い原子炉30基程度は2014年頃にはすべて廃炉に移行し、10〜20基程度に絞り込む(まさに正しい意味での選択と集中)を行うべきでした。
しかし、実際には漫然と投資を続け、駄目な原子炉の廃炉は五月雨式に、東京電力に至っては廃炉の意向を表明した福島第二4基をいまだに未練たらたら運用中原子炉に組み入れています。
結果として過去8年間で10兆円近いお金の過半を動かない原子炉というドブに捨てたのですから、“
投資がが止まっちゃった”のは当たり前です。本来、電力インフラ投資に回すべきお金を面子のためだけに10兆円の過半を捨ててしまったのです。まさに
日本名物、無能者による選択と集中です。
“今投資できる環境でなくなっちゃった“
これも嘘で、動き当てのない原子炉に過去の「規制の虜」よ再びと漫然と投資をした結果、10兆円前後のサンクコストと化し責任化を恐れて投資判断、経営判断を一切しなくなっただけです。しかも辛うじて動かせた9基の原子炉も「規制の虜」よ再びという当てが外れて来年からすべて止まり始めます。