呂布カルマと語るMCバトル盛衰史。「ブームの証」となるある現象とは?<ダメリーマン成り上がり道#15>

バトルシーンを変えてきたMCたちの存在

HBO編集部:「『FORKさんがMCバトルのスタイルを固めた』という話がありましたが、同じ実感は正社員さんにもありましたか?」 正社員:「FORKさんが優勝したあとのバトルはFORKさんみたいな人がすごく増えましたたね。BESさんが有名になった後はBESさんみたいなフローの人だらけになりましたけど」 呂布:「BESは音源のほうでブチ抜けてたからですよね。バトル出てないヤツでもBESのコピーみたいなフローのヤツが日本中にめちゃくちゃいたから」 正社員:般若さんがUMBで優勝したときはどうだったかな」 呂布:「般若さんのフォロワーはいなかった。何よりバトルの世界が変わったのは、晋平太が優勝したあと。言い方は悪いけど、『イモみたいなやつでも努力と根性でバトルに勝てる』みたいな風潮が出てきて、アーティスト志向のヤツは一気に離れたんですよ」 正社員:「その動きは本当にありましたね。でも俺は、その変化がMCバトルの業界をよくした面もあると思っていて」 呂布:競技人口が増えたからね」

MCバトルを「スポーツ化」した晋平太のUMB連覇

正社員:「誰でもバトルに出られる環境を作ったのが晋平さんで、そこからMCバトルがスポーツ化したんです。それがつまらないという意見もあるし、一理あるとも思うけど、やっぱり晋平さんの功績は大きい。それまでのUMBは『格で優勝する』みたいな空気があったけど、晋平さんはいろんな人とのバトルで修行をして、それをYouTubeで配信し、自分で優勝するための風を吹かせた。そしてテクニックで優勝した。だから俺、晋平さんって革命児だと思うんですよ」 呂布:「そうだと思う。よくも悪くも歴史を変えた正社員:俺は悪いと思ってないですからね!呂布:「特に名古屋では、昔から“不良がカッコつける”みたいな文化があって、UMBの予選にもそういったアーティストがでていたんですけど、晋平太の優勝で『ああ、UMB終わったな』みたいな空気がムチャクチャあったんですよ」 正社員:「晋平さんが2連覇したときはあったでしょうね。音源のほうで支持されているアーティストの層がゴッソリ抜けて、まだは高校生ラップ選手権始まる前で、シーンに若い層もいなくて。『これからどうするの?』みたいな感覚がありました」 呂布:「さらに晋平太のスタイルを煮詰めたようなR-指定が3連覇することで、名古屋ではもう本当にバトルは終わったんですよ。バトルのイベントもUMBの予選以外はほぼなくなった。だから僕も地元ではバトルに出なくなって、バトルをしていたのは吉田くん(MC正社員)や岐阜の人から呼んでもらった大会とか、大阪のENTER MC BATTLEでライブをしたときくらいで。当時はバトルの世界に先があるとも思えなかったし、音源作るのに集中していましたね」
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