奄美大島、世界遺産登録推進なのに大型クルーズ船寄港の計画。地元は「自然環境が破壊」と反対

「国交省はロイヤル・カリビアンに西古見を売り渡した」

 実は、国交省は、ロイヤル・カリビアン社からの要望に応えて、奄美大島から寄港地の候補を選定していたのだという。同じく今年3月の国土交通委員会で、宮本・前衆院議員が追及した際、下司弘之港湾局長は、 「要望があった船社はロイヤルカリビアン社でございます。要望があった内容は寄港地としての奄美について多大な期待を寄せている、クルーズ振興に関する主導を期待しているという趣旨の要望でした」 と回答している。  同社は、過去にも、奄美大島北部の龍郷町(たつごうちょう)にリゾートパークを開発する計画を立てていた。巨大クルーズ船が接岸できるよう長さ350メートルの浮桟橋を設置し、町内にはレストランやプールを作る予定だったのだ。地域の振興が期待できることから徳田康光町長(当時)らが賛成に回っていた。しかし住民の反発を受け、2016年に計画は白紙撤回されている。  それでもロイヤル・カリビアン社は奄美大島を諦められなかったらしい。今回は、国交省に奄美大島・徳之島から候補地を選ぶよう求めていたのだ。  畑事務局長は、「ロイヤル・カリビアン社の要請を受けて、国交省が西古見を売り渡したも同然です。地域の住民の意向は無視されている」と憤っていた。 <取材・文/HBO取材班>
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