追及を受けるとその場しのぎの姑息な言い逃れをする菅原に統一教会信者を運動員として斡旋したのは誰なのか?思い浮かぶのが、無派閥の菅原の後ろ盾とされる
菅義偉官房長官だ。国会議員選挙に立候補歴のある菅原の父親と同郷である菅は、菅原に目をかけているとされる。
長年、自民党の選対に関わってきた菅に関しては、これまでにも同教団との裏取引疑惑を指摘してきた。菅原を巡る一連の疑惑には、昨秋の衆院選でも菅原の出陣式に駆け付けた菅の差配があったのではないか。
菅原や元秘書が苦しい嘘を吐き通さねばならない背景に菅官房長官の存在があるとすると、政治家としての菅原が向き合うべきなのは誰かということになる。それは有権者・国民であるはずだ。
地元の大規模祭りを占拠する「自民党」と「菅原一秀」の幟
2018年4月22日、石神井公園周辺で練馬区の二大祭りの一つである『照姫まつり』が開催された。会場入り口数か所には「自民党」「菅原一秀」の幟と菅原の宣伝板が立てられ、菅原の秘書が「命を守る政治」と書かれたカードを配布していた。会場内での政治活動を禁じた同イベントを管轄する区の職員も「
今回はやめてくださいといったのですが……」と困惑顔。
区議補選でも、演説者や運動員がいないにもかかわらず、主要駅周辺で選挙幟を設置したままにしていたことも確認されている。他の陣営によると、菅原がかかわる選挙では、わざと幟を置き忘れるという。実際に筆者も何度となくそのような光景を目にしている。地元で我が物顔に振る舞う菅原陣営に対し、道義的責任を問う声も挙がっている。
照姫祭り会場メイン入口周辺を占拠する菅原の宣伝板と自民党の幟
そして今年の統一地方選、選挙幟を意図的に撤去し忘れるのはいつもの菅原陣営の常套手段だが、気付いたのは誤植だ。
菅原の肩書きが「衆議院議院運営委員会筆頭理事」とすべきところを「衆議院議員運営委員会筆頭理事」と誤って印字していた……。
菅原陣営名物“選挙幟の置き忘れ”、誤植(矢印箇所)が風になびく
次稿では、2017年後半から18年にかけて統一教会・国際勝共連合が行った「家庭教育支援法」制定を目論んだ策動について記す。(文中敬称略)
<鈴木エイト(やや日刊カルト新聞主筆)・Twitter ID:
@cult_and_fraud>
すずきえいと●滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『
徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)