ドイツ企業のアジア人女性差別的なCMに声を上げないどころか、抗議をする韓国を揶揄する人々の愚かさ

 ドイツのDIYメーカーであるホルンバッハのCMが、アジア人女性への差別だとして批判に晒されている。CMでは、野良仕事をする中年のドイツ人男性が脱いだ下着がパッキングされ、自動販売機で販売される。それを購入したアジア人女性が恍惚の表情を浮かべて白目を剥くというものだ。  動画をよく見ると、パッキングされた下着が運ばれるベルトコンベアには「春の匂い」と書かれており、これが日本人女性であることがわかる。

韓国ではいち早く話題に

 同社が3月にCMを公開した直後から、韓国国内では批判の声が上がった。ツイッターでは、「ドイツの病んだ野郎ども。マジで腹立つ」と怒りを露わにする人が相次いだ。 「50歳以上の中年白人男が持つ、歪曲されたアジア人女性への性的認知が問題。ホルンバッハの広告はまさにそこを主なターゲットにしていて、問題は簡単ではない」 「言語交流サイトのグループチャットに入ると途端に白人男が挨拶もせずにこちらのプロフィールに変な言葉を投げかけ、韓国人なので韓国語しかできませんと言ってるのに日本語を習いたい白人たちがしつこくチャット要請してくる。それでも白人男とアジア人女性が平等だと言えるのですか」  白人男性の中には、“アジア人の女性は従順で、白人男性を喜んで受け入れる”という偏見を抱いている人もいる。そのせいで、性的なからかいを受けたという人も少なくない。  中には、「私は昨年の1月1日、アジア人女性という理由だけで明け方、公共の面前で10数人の男性に人種差別的なからかいを受け、抗議すると殴られて入院した」と深刻な被害に遭っている人もいるようだ。

ドイツ在住の韓国人男性が署名活動を開始

 こうした中、ドイツ在住のSung Un Gangさんは、署名サイト「change.org」で同社への抗議の署名を集め始めた。キャンペーンは英語、ドイツ語、韓国語、中国語、日本語の5か国語で展開されており、すでに2万人近くが署名している。CMで描かれているのは日本人女性だが、アジア人女性全体への偏見を助長するとして立ち上がったのだ。  署名サイトでは、このCMの意図をこう指摘する。 「ホーンバッハ社は、彼らの主要顧客が、彼が働いた後の匂いが世界中どこでも、とりわけアジア人女性にとって、これほどセクシーで魅力的なものだと想像させたいのです」 「彼女は汗臭い白人男性が、庭仕事をする自分自身を肯定するための存在なのです。ホーンバッハ社は白人男性の壊れやすい自己肯定意識を、どこかにいるアジア人女性に外注しているのです」  同社のCMは、庭仕事でかいた汗がアジア人女性をうっとりさせるものであるということを描いている。このことで顧客であるドイツ人男性に、庭仕事をする自分たちは男らしく、性的な魅力があると伝えようとしているようだ。しかしそうした目的のためにアジア人女性が利用されているのが問題だという。  こうした抗議行動にもかかわらず、ホルンバッハはCMの削除していない。Sung Un Gangさんは、ドイツの広告委員会への陳情やデモも視野に入れて、抗議を続けていくという。
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