家賃収入年1億6000万円超! 中卒サラリーマン大家の成り上がり物語

最初の投資物件も被害を受けた熊本地震

野中氏が最初に購入した熊本市内のマンション「ラピス龍田」(’84年竣工)。購入後、’16年の熊本地震で被災し、野中氏の大家人生に影響を及ぼすことになった

「熊本地震があり、私の最初の投資物件も被害を受けました。慌てて現地に駆けつけたところ、中はグチャグチャでしたが、幸い建物は無事。『この物件が人の命を守ってくれたんだな』と強く感じましたね。そのときから私の不動産投資に対する見方はまったく変わりました。それまでは利回り重視だったのですが、入居者さんの暮らしをよくすることを第一に考えて物件をつくりたいと心の底から思うようになったんです」  震災後、野中氏は物件のデザインや利便性にも独自のこだわりを持つようになる。

福岡県古賀市にあるマンション「パースペクティブ古賀ししぶ駅前」(’17年10月竣工)。

「パースペクティブ古賀ししぶ駅前」には人気家具メーカーのIKEAとコラボした部屋も

「例えば、コードレス掃除機の充電用に収納の中にコンセントを設置していますが、こうした工夫を何十パターンも用意しています。その結果、現在の平均利回りは約7.6%、2年間の入居率100%という圧倒的なパフォーマンスを出すことができました」

福岡県福津市にある’17年3月竣工のマンション「パースペクティブ福津中央」。

「パースペクティブ福津中央」には災害発生時に役立つとの考えから、野中氏が開発したすべての物件は浴室テレビが導入されている

「街を創る」という新しい不動産投資の形

 不動産投資では購入金額が比較的安い中古ワンルームマンションなど区分所有のほうが一棟モノよりもリスクは低いと考えがちだが、野中氏は間違いだと指摘する。 「入居者が出ていってしまったら一気に賃料がなくなる区分所有よりも、退去リスクが分散されている一棟モノのほうが収支の見通しが立ちやすいはず。そのうえで先述したような付加価値をつけた物件を意識することで、賃料自体は周辺相場を参考とし、共益費を5000~1万円ほど高く設定。入居者の方にはご満足いただき入居率を維持しながら、高収益を保つように心がけています」  ’16年にフィリップモリスジャパンを退職した野中氏は不動産事業で独立。現在は21億円もの資金調達をしているという。なぜ短期間にこれだけの融資を受けられたか。
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