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科学的特性マップ」とは、2015年5月に決定された高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する新たな基本方針のもと、総合資源エネルギー調査会に設置されたワーキンググループで議論されてきた検討結果に基づいて、経済産業省(経産省)が2017年7月に公表したものです。現在、資源エネルギー庁(エネ庁)がホームページで公開しています。
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科学的特性マップ公表用サイト|放射性廃棄物について|原子力政策について|資源エネルギー庁”
このマップによると日本の7割近くの海岸線が輸送面も含めた好適地となるため、公表とともに大きな懸念を持たれています。ちなみに竹島も尖閣諸島も北方四島もマップには含まれ、「科学的特性」が評価されています。
このマップをたたき台に全国で
テーブルトーク型の説明会を開くというPA活動で、2018年2月から試行も含めて全国で行われてきたものです。
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科学的特性マップに関する対話型全国説明会”
NUMOのPA活動では、
企画広告会社への外注、参加者への謝金提供が報道される(※2)など、過去に厳しい批判を浴びてきた経緯があります。
※2)高知新聞が2015年2月14日に報じた”高知市で放射性廃棄物処分場考えるシンポジウム[高知新聞 2015/02/14](リンク切れ)”という記事では、”全国で開催、高知は28番目…市民ら約60人が足を運んだ。そのうち14人は、
シンポジウムの様子をNUMOのHPに載せる役割を持っており、対価も払われる”と報じられている。
また、原子力PAで頻発する
電力関係者によるサクラ、やらせ疑惑も常に持たれてきています。
科学的特性マップに関する対話型全国説明会では、過去のこれらの批判にかなり注意を払っているようで、開催概要には次のように明記されています。
(運営方法その他)
・手作り・直営実施を基本方針とします。ただし、専門性および業務効率性の観点から必要な場合は、外部の専門業者に直接委託します。
・本説明会は、謝金提供またはそれに類する便益供与等による参加者募集および一般的な周知を超える参加要請をしない旨、徹底のうえ開催します。
また、電力関係者の参加は、一般の応募と分け、受付でも分かるように電力関係の受付が一般受付と分けられていました。この点については、参加者の中からやはり電力のやらせが公認されているのではないかという意見がありましたが、私は、
電力関係者の参加可能性が明示されている点でかなりの改善と考えています。
手作り・直営実施、動員、やらせ、謝金無しを明記したPAは、過去を顧みると画期的で、大きな改善です。結局のところPAを動員、やらせ、金銭・便宜供与、企画・広告代理店委託で行っても弊害がきわめて大きかったという経験をやっと反映できたわけで、半世紀を超える原子力PAが行き着いた経験上の結論がきわめて当たり前のことであったといえます。
私は、知人から松山でNUMOのPAイベントがありますよとメールで紹介され、開催数日前に参加登録しました。翌日には登録締め切りされていましたが、当日飛び込み参加も可能と言うことで席は空いているようでした。
会場は、えひめ共済会館で松山市の中心でした。駐車場に不安がありましたので1時間前に会場の駐車場に入れ、会館内で昼食をとり、周囲をウロウロしていましたが、なにやら知った顔が弁護士さんを含め三々五々やってきます。伊方原発反対運動で見かける人がかなり集まってきており、会場が荒れそうな不安を持ちました。下手なイベント屋のPAでは参加者が怒り出しそうです。逆に言えば、電力系のPAで指摘されている、「参加者の選別」を行っていないことになります。また人数も多そうです。
この松山会場は、昨年7月19日開催の予定でしたが、平成30年7月豪雨のために延期されたもので、災害がなければ私は、参加出来ていませんでした。今回私は、一般参加でしたので会場内での写真撮影等は許可されていませんでした。メディア関係者ですと取材のための撮影等が許可されます。
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科学的特性マップに関する対話型全国説明会 愛媛(松山市) 会場 松山市えひめ共催会館 2019年3月3日 撮影 牧田寛
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科学的特性マップに関する対話型全国説明会 愛媛(松山市) 会場 松山市えひめ共催会館 2019年3月3日 撮影 牧田寛
四階の受付では、電力関係者と一般参加者の受付が分けられておりました。私が見る限り一般参加が多数であったと思います。受付時に電力関係者であるかの問いがありましたが、私の身内に現役の電力関係者はおりませんので、私は一般参加でした。
会場内では、初心者向けと上級者向けのグループに分けられ、机で7つ前後の島を作っており、運営関係者が20名以上いました。開会前からガラス固化体やオーバーパックの原寸大模型やポスター、ベントナイト緩衝材の縮小模型、VR視覚装置があり、年配のNUMO職員がすでに個別の説明を開始していました。この時点で私は、いろいろと質問を始めており、職員と「地下は掘ってみないと分からない」と互いに言っておりました。
開会時間が迫ると何やら知った顔がゾロゾロ入ってきます。初心者向けか上級者向けか振り分けが分からないという声が聞こえたので、ほとんどを初心者向けに案内していよいよ始まりです。この初心者、上級者の別は、初心者にはなかなか分からないと思います。私は上級者向けグループに陣取りました。
開会時点で会場の参加者数をざっと数えると35人前後いるようで、前日の今治会場が4人とも8人とも伝え聞いていましたので、大盛況といえました。