ピエール瀧逮捕にファン騒然。議論を呼ぶ「作品封印」。有名人の不祥事にはどう反応するべきなのか?

人気R&Bミュージシャンが未成年を洗脳

 音楽業界では、人気R&Bミュージシャン、R・ケリーが性的暴行罪で起訴されたことが波紋を呼んでいる。過去にも未成年との淫行疑惑がささやかれてきたR・ケリーだが、決定打となったのは、今年1月に公開されたドキュメンタリー『SURVIVING R. KELLY』だ。  その内容は未成年と結婚、性行為を無断で録画、少女たちを家族から引き離して寝泊まりさせていたといった衝撃的なもの。同番組での関係者たちの生々しい証言がキッカケとなり、R・ケリーは起訴されることとなった。その直後には、セリーヌ・ディオンやレディ・ガガ、チャンス・ザ・ラッパーといった過去にR・ケリーと共演したスターたちが、楽曲の取り下げを訴えている。  R・ケリーに関しては、昨年、性的暴行疑惑に抗議する「#MuteRKelly」というハッシュタグも誕生していた。この抗議運動を受けて、大手ストリーミングサイトSpotifyはプレイリストからR・ケリーの楽曲を削除。しかし、それが検閲行為に当たるのではないかと批判が起こり、のちに「間違っていた」と謝意することとなった。

影響力の大きい人物の場合、存在を無視することは難しい

 日本国内でもファンの多いR・ケリー。ミュージシャンや音楽ライターからも失望や困惑の声が挙がっているが、数多くのミュージシャンに楽曲提供をしているだけでなく、ジャンルの歴史に大きな影響を与えているだけに、その存在を完全に無視することはできないという意見も出ている。  ドキュメンタリーが公開されて、過去の疑惑が取りざたされているのはR・ケリーだけではない。今月3日と4日には、米ケーブルテレビ局HBOでマイケル・ジャクソンの児童虐待疑惑をテーマにした『Leaving Neverland 』なる番組が放送された。  放送前から『ニューヨークタイムズ』が過去の児童虐待疑惑をまとめた記事を掲載、マイケルの遺産管理団体がHBOを訴えるなど話題を呼んでいたが、はたしてどのような決着を迎えるのだろう?
次のページ
約50年前の人種差別発言が発掘される
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会