「安倍は辞めろ!」コールを封印、翁長前知事「オール沖縄」の意思を引き継ぐ若者世代

横田一

まずは“沖縄いじめ”の状況をまず止めたい

官邸前集会2 元山さんがスピーチで強く訴えたのは、立場・意見の違う人たちへの呼び掛けだった。そして、「沖縄の民意を無視して辺野古埋め立てを強行する“沖縄いじめ”を止めてほしい」と訴えたのだ。 「皆さん、もっと周りの人に伝えてください。立場が違う人、職場の人、いろいろいると思います。『県民投票、どう思う?』ということからいろいろ周りに話してほしい。自分もそうやってきました。  私の父は自民党系です。でも父にも『県民投票をやろうと思う。どう思う』というところから話をしてきました。『おまえがやるんだったら、いいんじゃないの』ということで許しをもらいました。  県民投票の動きも、父は影で見ていたと思います。立場や考え方が違っても、お互いのことを尊重して、『今はこの(沖縄)いじめの状態をまず止めないといけないのではないか』と。そこでは一致できるのではないかと思います。  いじめはやったらダメに決まっているじゃないですか。沖縄ではそういう状態が起きているんです。『本当にいじめられているの?』とか、『いじめている人がもっと声を上げろ』とか、そんなのおかしいじゃないですか。 『まずはいじめを止めよう』『もっと沖縄の声を聞いて中止しようよ』『これからみんなで話し合おう。知恵を出しあおう』となれば、他の選択肢を見つけられますよ。辺野古を埋め立てるのが唯一の選択肢ではないんですよ。  ぜひともみなさん、周りと話し合ってほしい。大変かも知れないし冷めた目で見られるかも知れない。でも、そこを乗り越えて自分はやって来ました。みなさんにもそれを実現してほしいと思います。ありがとうございました」(元山さん)  これこそ、保革を乗り越えて辺野古埋め立て阻止で結集した“オール沖縄”の核心なのかも知れない。同じ仲間同士で政権批判をしてこと足りるのではなく、立場が違う人とも話をしながら解決策を模索する。だから「安倍辞めろ!」コールはせず、政権与党が方針変更する可能性も最初から排除することはしないということだ。

与党の方針変更の可能性も否定しない

官邸前集会3 2月27日の永田町での県民投票報告集会「沖縄県民は答えを出した 私たちはそれにどう応えるのか」でも、元山さん自身の変化は見て取れた。  質疑応答で司会者の今井一氏(「[国民投票/住民投票]情報室」事務局長)が、「こういう県民投票の結果が出て、立憲民主党や国民民主党は『辺野古の工事は中止すべきだ』ということで一致しているのではないか。次の参院選挙で政権を代えれば、まず工事は止まる。その後、衆議院選挙もある」と呼びかけをしたのを受け、筆者は元山さんにこんな質問をした。 「3年前の参院選の時は、奥田愛基さんをはじめシールズのメンバーが一時的に活動を再開、選挙にかかわりました。今回、参院選でまた一時的にシールズ復活のようなことを考えられていますか。官邸前(国会前)集会を再開して、参院選で県民投票尊重派(議員)を支援しようと考えられているのでしょうか」  去年4月から一橋大学大学院を1年間休学して、県民投票実現に奔走してきた元山さんは「まあ、『いつまでやらせるのか』というのがありますけれども……。自民党が『ハイ、分かりました。これは止めましょう』と言ってくれるのが、一つの道としてはあり得るのでしょうし……」と、ここでも与党の方針変更の可能性を最初から否定することはしなかった。  そして、公明党議員や創価学会員ら与党関係者との意見交換にも意欲を示した。 「与党側にも真摯に受けて止めてほしい。具体的に、沖縄の人たちの意思が反映されるような形にしてほしいというふうに思っています」(元山さん)
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県民投票の民意軽視を許したら全国に広まってしまう
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