県民投票の結果を受け、玉城デニー沖縄県知事は辺野古基地の埋立承認を再撤回する!?

横田一

埋立承認の再撤回について玉城知事を直撃。「いろいろ考えます」

玉城外国特派員協会

3月1日、安倍首相との面談で県民投票の結果を伝た後、日本外国特派員協会で記者会見に臨んだ玉城デニー知事

 3月1日18時半すぎ、東京駅近くの外国人特派員協会。筆者は、「『辺野古』県民投票の会」代表の元山仁士郎氏との共同記者会見を終えたばかりの玉城デニー・沖縄県知事を直撃した。 「埋立承認の再撤回のお考えは?」と質問すると、「それはまた、これからです」と回答。そこで「武田(真一郎・成蹊大学)教授は『今回の県民投票の結果を受けて再撤回をすれば、工事が止まる(可能性が高い)』と言っていますが」とも聞いたが、「いろいろ考えます」と言う。  県民投票の結果を安倍首相との面談で伝えた後、記者会見で「ポジティイブな意見はなかった。何か進展をしたことはなかった」と報告した玉城知事を直撃したのは、前回記事(沖縄の若者の「悩み相談」から始まった県民投票が、辺野古埋立工事を止める「法的根拠」に!?)で紹介した武田教授の見立て通りに、再撤回へと事が進むのかを確かめるためだった。  元山氏に県民投票実施の助言をした武田教授は2月27日、「沖縄県民は答えを出した 私たちはそれにどう応えるのか」と銘打った永田町での集会で、「辺野古埋立を白紙に返す道筋をつけた」と県民投票を高く評価した。 「県民投票で辺野古埋立反対の民意が明確に示されたことで、玉城知事が埋立承認の再撤回をすれば、工事が止まる可能性が高い」(武田教授)  集会終了後、さらに武田教授から話を聞いた。 「県の幹部と県の弁護団と研究者の間で、月に1回研究会をやっています。県民投票をやるという段階で再撤回を前提にしていました。(タイミングを計って再撤回するのかとの問いに)再撤回する場合もあるし、前回の撤回の理由を追加することもあるでしょう。いま考えているところです」(武田教授)

県民投票で示された「民意」を打ち出す玉城知事を政府は警戒

元山特派員協会

日本外国特派員協会での会見には、「県民投票の会」代表の元山仁士郎氏(右)も同席

 総投票数の7割以上が埋立反対という、民意が明確に示された県民投票を境に、安倍政権と沖縄県の力関係は逆転したかのようだ。埋立工事を止める有力な“再撤回カード”を手にしたことで、今後の焦点は「切り札をいつ、どのような形で使うのか」に移ったともいえる。  沖縄県の法廷闘争での“戦闘力アップ”は、「辺野古断念 首相に要求 玉城知事『沖縄交え3者協議』提案」という見出しの、3月2日付『毎日新聞』からも読み取れた。「訴訟に影響 政府警戒」という小見出しで、次のように指摘していたからだ。 「玉城氏は政府との対話で、県民投票で示された『民意』を前面に打ち出す考えだ。一方、政府は県民投票の結果が今後の県との法廷闘争にどのような影響を与えるか警戒を強めている」  政府が警戒心を強める理由もまた、前記事で紹介した元山氏と武田教授の話と、ぴったり一致していた。 「県が県民投票に踏み切った背景は、県による埋め立て承認の取り消し処分を巡る違法確認訴訟で、2016年9月の福岡高裁那覇支局で敗訴した『苦い経験』がある。  判決では辺野古移設は『県の基地負担軽減に資する』と評価し『(辺野古)新施設建設に反対する民意には沿わないとしても、普天間やその他の基地負担軽減を求める民意に反するとは言えない』と判断を示した。翁長雄志前知事が勝利した14年の知事選で移設反対の民意は必ずしも明らかになっていないとの見解だった。  このため、県が今後の法定闘争を有利に進めるため、辺野古移設反対との明確な『民意』を得ようと狙ったのが県民投票だ。玉城氏は会談後に日本外国人特派員協会で記者会見し、『沖縄県民の純粋な民意を示すためには一つの争点に絞った県民投票で意思を問う必要があった』と語った。  県民投票で狙い通り『反対』が圧倒的多数を占めたことを受け、県は新たな訴訟の提起を検討している」(3月2日付『毎日新聞』)
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