2018年は1億稼いだ資産5億の投資家が「いま警戒していること」

 株、為替、不動産から仮想通貨まで、大きな成功を収めた7人に取材を敢行した。忍び寄る恐慌を前に、果たして、金持ちたちは何に備え、資産をどこに張ろうとしているのか? 『金持ちが考えたこと一覧』と題して考えるシリーズ。
日経平均と響煇氏の資産推移

<日経平均と響煇氏の資産推移>数十万円で投資を開始。アベノミクス初期には信用取引も駆使し資産を爆増させ、昨年には資産5億円へ到達。昨年末以降、上昇トレンド終焉への警戒を強め、今年の下値メドは1万6000円と読む

株~日経平均1万6000円も。資産5億円投資家は株安への警戒を強める

「投資に役立ったのは島田紳助さんの本。彼はお客さんの男女比や年齢、漫才小屋の温度といった外部環境を意識して、自分に合った売れるスタイルを設計したと書かれていました。実はこれ、投資も同じ。外部環境に応じて銘柄の選定や売買も変えないといけません」  そう解説するのは資産5億円超え、昨年だけで1億円を稼いだ響煇嚆矢氏だ。 「世界的な金融緩和の流れは簡単には巻き戻せません。アメリカでも中央銀行が資産縮小の打ち止めを示唆しました。資金は株式市場に流れるのでしょうが、気になるのは世界経済の成長を牽引してきた中国。人口ボーナスで成長していたものの、すでに生産年齢人口は低下へ転じており、成長性は頭打ち。短期的には停滞、減速せざるを得ないでしょう」  日本株に対する見方も弱気だ。

永遠に続く株高はない

「永遠に続く株高はありません。アベノミクス開始以降はずっと『いつ株高が終わるだろう』と自問自答していました。昨年末から、いよいよ株高の終わりがきたのかな?と感じています。今年の日経平均は上値2万1500円、下値は1万6000円まであるのでは。投資するなら儲かるタイミングでするべき。今はポジションを閉じ、キャッシュ比率を高めて“様子見の時期”です」  アベノミクス初期には信用全力買いも行ったが、現在は資産の60%が現金。今後90%までキャッシュ比率を高める予定だという。ただし、「こんな外部環境でも買える銘柄はある」と響煇氏は言う。 「5GやAIなどテクノロジーを強みにした成長産業です。たとえばKudan。AIとも関連する人工知覚を強みとする会社で、PERは超割高ですがポテンシャルはある。データセンター大手のブロードバンドタワーも5Gによるデータ量増大で期待できるでしょう。要は『社会がどう変わり、自分がどう行動するか』ということ。その意味ではYouTuber支援のUUUMも面白い。格差拡大で副業を始める会社員も増えるでしょうから」  社会の変化を見極めた上で、稼ぎ時では全力買いも辞さない。この発想こそ、成功の秘訣か。
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