安田純平氏が戦場取材をする理由。「『テロリスト』として殺される“普通の人”の存在を伝えたい」

結局、殺されるのは普通に暮らしている人たちがほとんどだ

【安田氏の発言要旨②】
安田純平講演会会場

会場は420人の聴衆でいっぱいに埋まった

 もちろん記者なので、いろいろと仮説を立てる。こういう場所にこういうことが起きているんじゃないか、報道されていることと全然違うことが起きているんじゃないかという仮説をたてて、それを確認しに行くことももちろんする。  現場では、「テロリスト」とされて空爆で殺されるのが子どもだったりする。殺す側は「テロリストだから殺していいんだ」と言って殺す。「テロリストだ」と言われると問答無用で、聞いている側も「悪いヤツだからしょうがない」と思ってしまう。 「あいつらを殺さなければ君たちが危なくなる」と言って殺すわけだが、これは殺す側が「テロリストだ」と言っているだけ。その人が問答無用で殺されるべき人なのかどうか、証拠をそろえることはしないし反論もさせない。結局、殺されるのは普通に暮らしている人たちがほとんどだ。「テロリスト」にされて殺されていく“普通の人たち”の存在を伝えなくてはいけない。
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15年前と変わらぬ「自己責任バッシング」
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シリア拘束 安田純平の40か月

2015年6月に取材のためシリアに入国し、武装勢力に40か月間拘束され2018年10月に解放されたフリージャーナリスト・安田純平。帰国後の11月2日、日本記者クラブ2時間40分にわたる会見を行い、拘束から解放までの体験を事細かに語った。その会見と質疑応答を全文収録。また、本人によるキーワード解説を加え、年表や地図、写真なども加え、さらにわかりやすく説明。巻末の独占インタビューでは、会見後に沸き起こった疑問点にも答える

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