Amazon・ベゾスの新型ロケットが売れたワケは、「大は小を兼ねる」にあり

鳥嶋真也
ロケットエンジンの試験

ニュー・グレンに装備されるロケットエンジンの試験の様子。開発は、多少の遅れはあるものの、比較的順調だと伝えられている (C) Blue Origin

テレサットがニュー・グレンを選んだわけ

 そして今回、カナダの衛星通信大手テレサットが、ニュー・グレンに打ち上げを発注したことで、もうひとつの価値が証明された。  テレサットが打ち上げを依頼したのは、同社が展開を予定する衛星インターネット計画「テレサットLEO」を構成する、小型衛星群である。これは、大きなロケットで小さな衛星を大量に打ち上げ、さらにそれを繰り返し、地球を覆うように衛星を配備して、宇宙から世界中にインターネットをつなげようという壮大な計画である。  この場合、ロケットに搭載できる衛星数が、多ければ多いほど、衛星1機あたりの打ち上げコストを小さくでき、全衛星をより安価に打ち上げ、配備することができる。  そしてロケットの打ち上げ能力は、主に搭載できる(打ち上げられる)衛星の質量と、そしてロケットの先端にある衛星を搭載する部分の大きさ――「フェアリング」と呼ばれるカバー部品の大きさによって決まる。  そこにおいてニュー・グレンは、直径7m、全長は100m近くもある超大型ロケットなので、打ち上げられる質量は最大45トンときわめて大きい。この能力は、スペースXのファルコン・ヘヴィには劣るものの、現在の水準からすると十分以上に強大である。  さらに、その大きな機体のおかげで、フェアリングのサイズ、そして容積も世界最大をほこる。この点は、ファルコン・ヘヴィと比べると2倍以上も大きい。つまりテレサットLEOのように、軽くて小さな衛星を一度にたくさん打ち上げる場合、ニュー・グレンはまさにうってつけである。  事実、テレサット側は、ニュー・グレンを選んだ理由に、打ち上げ能力の大きさと、そして巨大フェアリングにあったことを強調している。またブルー・オリジン側も、「その強大な打ち上げ能力と巨大なフェアリングによって、衛星1機あたりの打ち上げコストを削減でき、テレサットLEO計画にとって最適である」とアピールしている。
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ニュー・グレンのデカさは「常識」になるか?
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