8割の含み損から生還した男が辿り着いた「積み立て投資」の極意

「投資をしても失敗ばかり」「自分はセンスがないのかも?」と悩む個人投資家に朗報だ。投資センスは一切不要、誰でも簡単に資産を増やせる方法がある。その名は「積み立て投資」。これまで見過ごされがちだったそのカラクリに迫る。

リーマンショックの暴落が60%の利益をもたらした!

個人投資家kenz氏の場合 「長年積み立て投資をやっているのは、極論すると消去法なんです。まとまった資金を持たないサラリーマンが資産を増やしたいと思ったら、積み立て投資しか方法がない」
kenz氏10年間の動向

kenz氏10年間の動向

 そう話すのは、’07年から12年間にわたって投資信託への積み立て投資を続けている個人投資家のkenz氏だ。勤務先が積み立て投資を活用した企業年金「企業型確定拠出年金」を導入したのをきっかけに興味を持ち、月2万円で積み立てをスタートした。  kenz氏が投資対象に選んだのは、「世界」だ。先進国や日本、そして新興国の株やREIT(不動産投資信託)の値動きを表す指数(インデックス)に機械的に連動するインデックス投信に分散して投資した。インデックス投信は人が銘柄を選んだりしないため、資産から差し引かれる「信託報酬」という運用コストが安いうえ、市場の成長をダイレクトに反映できる点が気に入ったのだという。
kenz氏のアセットアロケーション

kenz氏のアセットアロケーション

《kenz氏のアセットアロケーション》 (’18年11月時点) 先進国株式 65% 日本株式 15% 新興国株式 15% REIT 5% 「それまでは預貯金オンリーだったので、ネット証券の買い付けボタンをクリックする手が震えました。自分の稼いだカネが減るかもしれないというのは、正直怖かった」  そんなウブなビギナー投資家だったkenz氏に、金融市場は容赦ない洗礼を浴びせた。「100年に1度の金融危機」と言われたリーマンショックの襲来だ。震源地のアメリカはもちろん、世界中の株や債券が大暴落した。 「今は日経平均が3%下がったぐらいでみんな大騒ぎしてますが、当時私が保有していた海外REITなんて1日8%下がっていたし、一番ひどいときには80%も含み損になっていました」  分散投資をしていても、評価額は半分まで下落した。口座を確認するたびに資産が減っているような状態が4年近く続いたが、それでもkenz氏は、積み立て投資をやめなかった。
次のページ
下がる=買い付け量が増やせるを持続
1
2
ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会