産地が干ばつに見舞われると農産物の価格は高騰。増加する異常気象で農産物価格が激変する可能性も 写真/AFP=時事
また、吉田氏は、天然ゴム以外にもリーマンショック直後の安値水準まで下落している商品があると指摘する。
「大豆、とうもろこし、砂糖、コーヒーも、リーマンショック後の安値と同水準まで下落してきています。リーマンショック直後、10年間の値動きをみると、天然ゴムと同様、この水準を大きく割り込むことなく反発しており、歴史的安値が下値サポートとして機能していると言えます」
大豆ととうもろこしは東京商品取引所に上場しているので、長期投資するなら前出のロールオーバー戦略が有効になりそうだ。とうもろこし、大豆、小麦は東証にもETF(上場投資信託)が上場しているので、こうした商品を活用して投資することも可能だ。さらに穀物全体に投資する銘柄もある。
商品相場に詳しいコモディティーインテリジェンス代表の近藤雅世氏によると、これらの農産物は干ばつや不作などに見舞われれば価格は高騰するうえ、ほかの穀物価格や新興国経済の動向でも変動する。
大豆・とうもろこしの年間サイクル
また、例年、作付け面積が決まる2~4月ごろに安値をつけて6~7月ごろに高値をつけるという季節的な傾向もある。短期でもこうした波にうまく乗ることができれば、利益を上げられる可能性があるのだ。
砂糖、コーヒーは国内での先物取引はできないが、とうもろこし、大豆、小麦、砂糖に投資する「ETFS 農産物上場投資信託」(1687)が東証に上場している。また砂糖とコーヒーを投資対象とするETNがアメリカで上場しており、楽天証券の米国株口座で取り扱っている。
《トウモロコシの変動要因》
●米ドル・円相場
●大豆の作付け
●エタノールの生産量
●アメリカ・南米の天候
●新興国の経済
先物取引に慣れてきたら、トレンドが出た場合、価格の上下動が激しい農作物に挑戦してみるのもひとつの手だろう。
近藤雅世氏/穀物ならではの季節要因にも注目
吉田 哲氏/ゴムは戻り売り主体の逆張り戦略
小針秀夫氏/リーマン直後の安値は買いサイン
【近藤雅世氏】
コモディティーインテリジェンス取締役社長。著書に『
元金30万円から始める商品先物ネット取引入門』(実業之日本社)など
【吉田 哲氏】
楽天証券経済研究所コモディティアナリスト。商品の個別銘柄や分析、情報配信を行い、初心者から上級者まで幅広い層に解説する
【小針秀夫氏】
トーキョー・トレーダーズ・タイムズ代表取締役。産業素材分野を中心に、石油、ゴム、金、農産物など幅広く市場分析を行う
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