農産物などコモディティ銘柄は「リーマン直後の安値」突入に注目せよ

天然ゴム

天然ゴムの多くは自動車のタイヤに使われる。主要国の新車販売台数のデータは重要な指標となる 写真/AFP=時事

 ハイリターンが期待できるというイメージこそあれど、意外とチャレンジしたことのない人も多い商品先物取引。その基本的な仕組みと、商品タイプ別の投資ポイントを一挙紹介する!

ゴム、大豆、とうもろこしが安値圏に突入。売買のポイントは「リーマン直後の安値」

 農産物のなかにも、絶好の買い場となっている商品が複数ある。楽天証券経済研究所コモディティアナリストの吉田哲氏は、「100年に一度の金融危機」と言われた歴史的な金融ショックとなったリーマンショック直後の安値水準まで下落している銘柄に注目する。 「リーマンショックが世界経済に残した爪痕はあまりにも深い。日米欧が金融史上例のない金融緩和を実施し、高い経済成長を謳歌していた中国も低成長のステージに切り替わってしまった。世界経済はすべてがここでゼロの状態にリセットされ、新しい局面がスタートしたと考えています」  あらゆる金融商品がリーマンショック直後につけた安値を「ゼロ」とする状態に入っているというのだ。  吉田氏はコモディティ銘柄のなかで、リーマンショック後の安値水準、すなわち「ゼロ」レベルまで下落している銘柄が複数あると指摘する。そのひとつが、天然ゴムだ。  国際指標である上海ゴム相場は、’08年のリーマンショック直後に1万元/トン前後の安値をつけて以降、中国の需要回復を背景に、’11年にかけて約4倍となる急騰を見せた。しかし、価格上昇が増産の呼び水となって需給が崩れ、’16年にかけて大幅な下落を見せた。’17年には上昇に転じる局面もあったが、あっという間に下落相場に逆戻りしている。  興味深いのは、’16年の下落相場ではリーマンショック直後の安値水準でぴたりと下げ止まっていることだ。そして’18年後半に再び同じ水準まで下落して、もみ合いを続けている。リーマン後の安値水準がかなり強固なサポートになっている可能性があるのだ!  吉田氏は、「株式と違ってコモディティは実物としての価値があり、ゼロになることは考えにくい。リセット時の価格と見られるリーマン直後の安値を大きく割って下落する可能性は低く、長期的に見れば買い場の可能性がある」と指摘する。  ただし、短期的な反転上昇が見込めるかといえば、その可能性も低いかもしれない。 「投資では一度に大きな利益を出すことよりも、長期間に渡り損を出さないことのほうが重要です。短期的に勢いのある銘柄を高値づかみしてしまうより、長期的に下がりにくそうな銘柄をホールドして上昇を待つほうがリスクは低い」  天然ゴムは東京商品取引所に2銘柄が上場しており、先物取引が可能だ。しかし、天然ゴムの場合、同じポジションを持ち続けられるのは最長で半年間である。そこで吉田氏は「ロールオーバー」で実質的な長期保有をすることを提案する。 「東京市場の天然ゴム先物は、最長半年間、同じポジションを持ち続けることができますが、1か月ごとにロールオーバーして、常に最も期限が遠い限月を持つようにします。ロールオーバーのたびに取引手数料はかかりますが、比較的取引量が多い限月を保有し続けることができます」
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