元日経記者が教える、ネット株投資で必ずチェックすべき「3つの財務指標」

「配当落ち日」に下落した株を狙う投資家も

東証一部平均利回り③配当利回り(%)  配当利回りとは、1株から得られる年間配当金が株価の何パーセントに当たるかを示す指標です。「1株当たり配当金÷株価×100」で求めます。配当金が一定であれば、株価が低いほど配当利回りは高くなります。  株式投資の目的のひとつは配当金を得ることなので、利回りが高いほど投資効率がよくなります。「石橋攻略」でも、配当利回りの高い銘柄の購入を勧めます。配当利回りは、業種・企業によっても大きく異なります。東証1部企業で配当利回りが5%以上の企業は今年初めの段階で30社近くあります。東証1部に上場している企業の配当金利回りは平均で現在、1.98%程度です。  日経平均構成銘柄の平均利回りは2.04%程度です。業種別にみると、製薬、メガバンク、商社などの配当利回りは比較的高くなっています。また同じ業種でも業績の良い企業と悪い企業とでは大きな差があります。  配当金を受け取るためには、権利確定日(決算日)までに株式名簿にあなたの名前を登録する手続きが必要です。この配当金を受けるためには、最終権利日(通常決算日の4営業日前)までに株式を購入して株主名簿に登録しなければなりません。最終権利日は事前に公表されます。  最終権利日が過ぎてから株を買ってもその期の配当金はもらえません。最終権利日の翌日は、株価が下落する配当落ち日です。配当金が高い会社の株価は、配当金相当分が翌日の配当落ち日に下落します。投資家によっては配当落ち日に安くなった株を購入し、次年度決算で配当金を得る選択をするケースもあります。 「石橋攻略」では、企業の健全性(自己資本比率)割安感のある株式(株価収益率)配当金の高い銘柄(配当利回り)の3つの指標を総合的にチェックし、購入することを勧めています。 ◆石橋叩きのネット株投資術 第26回 <文/三橋規宏> みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、『ゼミナール日本経済入門』(同)、『環境経済入門』(日経文庫)、『環境再生と日本経済』(岩波新書)、『サッチャリズム』(中央公論社)、『サステナビリティ経営』(講談社)など。
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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