あらためて、再生可能エネルギー発電率100%の意義とは
コスタリカ大学で行われたシンポジウム「持続可能な交通」では、多くの一般市民の参加者も耳を傾け、議論に参加した
今後の見立てとしては、筆者は以下のように予測している。
1.今後3年未満(2021年9月15日=独立200周年の日)までに、脱化石燃料化の一定のロードマップもしくはそれに類するものを政府が発表する
2.その実現可能性が現実的に語られ出すのはおそらくそれ以降
3.2030年から「排出炭素量が減少局面に入る」という目標は現段階でもはっきりしているので、10年後にはそのめどが立っていなければならない
以上から考えると、「再生可能エネルギー100%発電」は、脱炭素化社会(正確には「炭素排出量削減社会」と言ったほうがいいかもしれないが)の実現に向けた「助走」に当たると解していい。それ自体が決定的な環境負荷の軽減になるわけではないが、さらなる大きな野望に向けての確実な一歩という意味は、決して小さくない。過大評価はできないが、将来的ポテンシャルの大きさを示してもいるケースと言っていいだろう。
「持続可能国家」コスタリカ 第9回
<文・写真/足立力也>
コスタリカ研究者、平和学・紛争解決学研究者。著書に
『丸腰国家~軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略~』(扶桑社新書)など。コスタリカツアー(年1~2回)では企画から通訳、ガイドも務める。