しかし、マクリ大統領もイニシアティブを取って行く必要もある。何しろ、現在のアルゼンチンの経済低迷は厳しい状況にあり、インフレも高騰している。ブラジルがGDPで1%上昇すれば、アルゼンチンで4%の上昇を導くようになると言われている。ブラジルがくしゃみをすればアルゼンチンは風邪をひく関係にある。
2019年のブラジルは経済成長が予測されている。また、ブラジル通貨レアルも対ドル値上がりすると見られている。それはアルゼンチンにとってブラジルへの輸出が伸びることが見込まれることになる。(参照:「
iProfesional」)
そのような状況からマクリ大統領にとって出来るだけ早い時期にボルソナロ新大統領との会談を持つことも必要なのである。
そこで双方の妥協点として見つけたのが、1月16日にマクリ大統領がブラジルの首都ブラジリアを訪問してボルソナロ新大統領と会談するということになったのである。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身