アルゼンチンのマクリ大統領がブラジル極右大統領就任式を欠席する理由

白石和幸

G20のときのマクリ大統領 G20 Argentina via flickr (CC BY 2.0)

 ブラジルのボルソナロの大統領就任式が来る1月1日に予定されているが、ブラジルと姉妹関係にあるアルゼンチンのマクリ大統領が就任式に出席しないことが物議を醸している。しかも、アルゼンチンはその就任式にガブリエラ・ミチェティ副大統領ではなく、ホルヘ・ファウリエ外相を出席させるという外交儀礼のランクを2段下げたのである。

アルゼンチンはなぜこんなことを?

 これまでアルゼンチンとブラジルとの間では、ブラジルで新大統領が就任すると最初に訪問する国はアルゼンチンと決まっていた。同様にアルゼンチンで新大統領が誕生すればブラジルを最初に訪問することになっている。  ちなみに、スペインで首相になると、最初の訪問国はモロッコというのが長年慣例になっている。  アルゼンチンがこのような異例の対処をするのにも理由がある。  実は、ボルソナロが最初に訪問する国としてアルゼンチンではなく、チリを選んだというのがその理由である。即ち、これまでの両国の間で存在している慣例を破って、ボルソナロがアルゼンチンの存在を軽く見做したとアルゼンチン政府は受け止めているのである。  勿論、アルゼンチン政府はそれを公にはしない。しかし、アルゼンチンの主要紙は政府に代わってボルソナロの非礼を婉曲的にではあるが批判している。  例えば、10月28日付けの紙面『PERFIL』は本文の中で、ボルソナロが最初に訪問するチリの大統領であるセバスチアン・ピニェラ大統領でさえも就任して最初に訪問した国はアルゼンチンであったことを言及している。  上院議員のミゲアンヘル・ピチェトは、ボルソナロの大統領就任式にマクリ大統領が出席すべく「敢えて努力してもらいたい」と懇願している。同氏は、ボルソナロが両国の間に存在している慣例を破った背景には、アルゼンチン外務省の事前の対応に過ちがあったことを指摘している。  どういうことかというと、ボルソナロ側は、アルゼンチン外務省そして政府が、ボルソナロの対立候補であるフェルナンド・アダジが勝利すると思っていたような印象を持っていたきらいがあったと思っているというのである。確かに、それにも理由がある。というのも、マクリがブエノスアイレスの市長だったころから、当時サンパウロの市長だったアダジと旧知の間柄だったのだ。そのため、マクリはアダジに親近感を持っていた可能性は高い。(参照:「Clarin」)
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ボルソナロはアルゼンチンを軽んじたのか?
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