国会軽視が続いた今国会、初っ端に話題になった「質問通告」について改めて考えてみた

日程闘争を超えて

 質問通告問題というのは、本質的には日程闘争の問題であり、それを(立法府の権限を縮小しない形で)改善しようとすると、会期制度自体、あるいは委員会中心主義自体を再考せざるを得ない。  河野外務大臣や、小林前総務政務官などが主張されているのも、いわゆるイギリス型議会への転換であり、それは必然的に委員会を縮小した上で本会議の権能を強化するという議論につながる。  また、今回の桜田大臣など、そもそも大臣としての資質に重大な疑義がある方が大臣としてその職責を担っていることも合わせて考えなくてはいけない。  もしも霞が関の負担を減らすということになれば、アメリカのように政党や議員のスタッフを増強し、政策立案や答弁作成の補佐をさせるという考え方もあるだろう。 「質問通告が遅い」という事象だけを見れば野党の責任あるように見えるかもしれないが、霞多くの重要法案において生煮えの状態で、立法府の中立性を侵してもタイトな日程で法案成立を目論む与党こそ、まずは立法府のあり方を再考すべきではないだろうか。 <文/平河エリ@読む国会 Twitter ID:@yomu_kokkai) ひらかわえり●国会をわかりやすく解説するメディア「読む国会」を運営する政治ブロガー。
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