サイドイベントでの報告を終え、自分のパソコンを開くと、国会の緊迫した様子がTwitterで飛び込んできました。ポーランドと日本の時差は8時間あり、日本は深夜のはずでした。
政府が国会に提出した入管難民法改正案やその他の与野党対決法案は、いずれ採決が避けられないにしても、
国会を延長して採決するのだと考えていました。臨時国会の延長は珍しいことでなく、年末に向けて政府与党には予算折衝の大仕事があるにしても、政府と与党の間で大きな争点はなく、国会延長に向けてのハードルはないからです。
2000年代までの
自民党政権は、強行採決をするにも、一定の「環境」を整えてから行うのが通常でした。国会を延長して、長い審議時間を確保することは、もっとも頻繁に行われる「環境」づくりでした。なぜならば、野党が強く反対する法案は、たいていの場合、自民党の支持者にも反対意見が根強くあるため、そこに配慮を見せる必要があるからです。
ところが、この臨時国会(第197回国会)は、
会期延長の余裕があるにもかかわらず、強行採決の連発です。なかには、衆議院での実質的な審議時間がゼロという法案すらありました。これらは「
与党による審議拒否」といっても、過言ではありません。
同じ議論の場でありながら、COP会議場と日本の国会との格差に、改めて驚いてしまいました。目の前のロビーでは、多様な国の多様な主体の人々が、あちこちで小さな輪をつくり、議論をしています。一人でいる人はパソコンを開き、誰かに伝えるための文章を書いています。いずれも、気候変動問題を解決しようという議論で、作業です。
大小、公式非公式を問わず、様々な議論がネットワークとしてつながり、COPという議論の場を活性化し、形成しています。参加者の一人として、そのことが実感できます。
そして、COPをヒントに、議論の場としての国会を再生できないかと空想をめぐらし、一つのアイデアに至りました。