「高輪ゲートウェイ」だけじゃない。深刻化する「交通機関のネーミング」超絶ダサすぎ問題

そもそも「品川」のほうが「ゲートウェイ」感ある

 それにしても「高輪ゲートウェイ」の「ゲートウェイ」って何なのでしょうか。  英語で表記すると「GATEWAY」ということになると思いますが、一般的には「木戸がついた出入口」みたいな意味になろうかと思います。  JR東日本のリリースによれば、 “この地域は、古来より街道が通じ江戸の玄関口として賑わいをみせた地であり、明治時代には地域をつなぐ鉄道が開通した由緒あるエリアという歴史的背景を持っています。  新しい街は、世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指しており、新駅はこの地域の歴史を受け継ぎ、今後も交流拠点としての機能を担うことになります。  新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。”  とあります。  確かに、泉岳寺駅の前には「高輪大木戸跡」があり、江戸時代は関所になっていた歴史があります。これに加えて、駅前の再開発事業は「グローバル・ゲートウェイ品川」というコンセプトが掲げられており、名前をつけた人たちの気持ちとしては、「これから再開発が進んで東京の新たな玄関口になるように」みたいな願いを込めたのだと思います。  なんとなく英語を付け足すことで「かっこいい」みたいなことも狙ったのでしょう。が、逆にダサさが際立つ結果になっていて、名付けた奴の中二病が抜け切れていないという話にしかなっていません。  実は、「ゲートウェイ」と名の付く駅ができるのは初めてではありません。東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを結ぶモノレール「ディズニーリゾートライン」の舞浜駅前の駅は「リゾートゲートウェイ・ステーション」という名前です。「これからディズニーシーで遊ぶぞ!」と意気込むファミリーに「リゾートゲートウェイ」という名前はフィットするのでしょうけど、高輪ゲートウェイの場合、利用客の多くは遊びに行くのではありません。東京の大動脈たる山手線に、一人だけ異質なネーミングを放り込んできたという話です。やがて10年後ぐらいに不評すぎるという理由で、すんなり「高輪駅」に改名される可能性はゼロではないのですが、新たなる玄関口になることを夢見て「ゲートウェイ」……。  しかし、今、東京の、ひいては日本の「玄関口」や「交通の要衝」になりそうなのは「品川」です。東海道線と宇都宮線が合体し、常磐線も品川まで延伸されて、羽田空港に行くにも成田空港に行くにも「品川」が玄関口となります。新幹線も品川で乗り換えられるようになっているし、2027年開業予定のリニア新幹線も品川駅に止まる予定です。  しかし、「高輪ゲートウェイ駅」は、ゲートウェイという名前がついていながら、単なる品川の一つ手前の駅に過ぎないので、何一つゲートウェイではないという矛盾を秘めています。本物のゲートウェイは「品川」であり、「高輪ゲートウェイ」はどの列車に乗り換えることもできない山手線の一駅に過ぎないんです。ゲートウェイという意味では、駅を降りた瞬間からラブホテルが乱立する鶯谷の方が、これから何かが始まっちゃうかもしれない的な意味でゲートウェイ感があります。これを機に結婚するカップルだっているでしょうから「人生のゲートウェイ」である可能性すらあります。それに比べて「高輪ゲートウェイ」なんですが、周辺にできるのはオフィスビルであり、再開発された虎ノ門みたいな景色が広がることが予想されています。
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増えるカタカナ混合駅名
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