エイズ禍から世界は抜け出せるか? 世界エイズデーに日仏の専門家に聞く

エイズデー 12月1日は世界エイズデーだった。その目的は世界的レベルでのエイズ蔓延の防止と感染者・患者に対する差別・偏見の解消をはかることにある。世界エイズデーの経緯は1988年、WHO(世界保健機関)が12月1日を”World AIDS Day”(世界エイズデー)と定め、エイズに関する啓発活動などの実施を提唱した。国連のエイズ対策の総合調整を行うこととなったUNAIDS(国連合同エイズ計画)もこの活動を継承し、本年で31回目を迎えた。  フランスでは国際エイズデーにあわせて新規感染者の数が発表され、大統領が国民に向けて、啓発と感染者への連帯を求めるテレビ演説を行う。日本においては、厚生労働省が主催して11月29日、マイナビBLITZ赤坂において「世界エイズデーイベント RED RIBBON LIVE2018~平成が終わる前に『贈る言葉』~」が開催され、600人近くの観客が詰めかけた。  MCは山本シュウとAKB48の市川美織、出演者は蒼井そら、一徹、今村顕史、押尾コータロー、こにわ、紗倉まな、関取花、TERU(GLAY)、はなわ、隼斗、ビッケブランカ、ペンギンズ、ホリ、ゆってぃ、若旦那、海援隊(敬称略)で、トークやライブを行った。締めは海援隊の『贈る言葉』で終わった。

HIVの累計報告件数は2万8000件超え、新規感染者は1339人

 厚生労働省健康局結核感染症課・エイズ医療調査係担当の宮本正樹さんはこう語る。 ―――近年のHIV/エイズの現状について教えてください。 「2007年のHIV新規感染者は976人で、男性938人、女性38人でした。新規エイズ発症者は413人で、男性375人、女性38人。新規HIV感染者・エイズ患者の報告者数は、年間1500件前後の報告が続いている状況にあります。2000年は約800人でしたから、約2倍になっています。1985年からとっている統計では、HIVの累計報告件数は2万8000件超えで、エイズ発症者は8936件になります。当然、亡くなっている人も含まれる数値です」 ―――HIVに感染していることを知らずに、発症して初めて気がつくという方はどれくらいいるのでしょうか? 「約30%もいます。これはゆゆしき問題です。HIV検査が未だに広く行き届いていない結果であり、極めて遺憾に思っております。」 ―――昨年カンヌ国際映画祭で最高栄誉の賞パルムドールに輝いたのは1990年代のHIV感染者を描いた「BPM ビート・パー・ミニット」でした。あの頃はエイズが発症すれば、回復が見込まれず、即、死につながるという状態でしたが、いまは変わったのでしょうか。 「実をいうと、日本においてはエイズで死ぬ人はほぼゼロに近いです。エイズを発症したとしても、治療を受ければ生きながらえるのです。ただ、重い後遺症が残ることもありますし、その間、性交した相手に伝染してしまう可能性がありますから、エイズになっても死なないとはいえ、早めの検査をお勧めします」 ―――次に新規AIDS患者の年代を教えていただけますか。 「30~40歳代が約6割を占めています。20歳代で13.6%、30歳代で25.7%、40歳代で32.9%、50歳代で16.9%、60歳以上が10.4%です」 ―――感染経路はどうなのでしょうか。 「性的接触によるものが約8割です。異性間性的接触は24.0%で、同性間性的接触は54.7%です」 ―――ということは、男性同性愛者による性的接触の感染が多いということですね。ゲイコミュニティに対しては、より強い啓発が必要かもしれませんね。 「数字だけ見ればそう言えると思います」 ―――最後に国民への啓発のメッセージをお願いします。 「まず、予防です。性的接触する場合は、必ずコンドームを使いましょう。昨日、蒼井そらさんが仰っていましたように、『コンドームをつけるのがかっこいいね』となるといいですね。次にHIV検査を受けましょう。HIV検査は全国の保健所などで無料・匿名で受けられます。HIV感染を判断できるのは検査だけです。そして、早期に感染を発見すれば、定期的な通院と治療により、エイズの発症を防ぐと共に、他人にHIVを感染させる危険性を減らすことが出来ます。何よりも、早期発見が重要です」
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フランスでは「エイズゼロ」を目標に
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