他人からのタスクにやる気が出ない? モチベーション維持のカギは「行動目標」

山本マサヤ

 他人から与えられた目標へのモチベーションが上がらない、失敗体験が染みついてミスを繰り返してしまう……。誰しもそんな経験をしたことがあるはずだ。では、そんな負のサイクルから脱するには、どのように自分の考え方を切り替えればいいのだろう?

やる気が低下する負のサイクル

他人に与えられた目標に対しては、たしかにモチベーションは湧きづらい。それを繰り返し乗り越えなければならないとなれば、なおさらだ。photo via Pexels

 筆者は現在、某外資系保険企業の方々と一緒に、心理学を使った営業力向上のプロジェクトを行なっている。
 このプロジェクトでは、心理学を使った営業のコミュニケーション術のように「相手の心にアプローチする」ものではなく、いかに自分が行動を起こせるようになるかという「自分の心にアプローチする」心理学的な仕掛けを施し、実行してもらっている。

 プロジェクトが成功すれば、人の目標達成力を向上することができる仕組みとして多くの方の自己実現の支援が可能になるはずだ。

 今回は、実際に実施してもらっている目標達成方法の一部をご紹介させていただこう。

 転職や新卒で会社に入ってすぐのとき、人は難しい仕事にも挑戦してみようという「やる気」に溢れているだろう。しかし、不慣れな環境で失敗を重ねると、だんだん意欲が下がり挑戦をしなくなってしまう。

 このような現象を心理学では「学習性無力感」と呼んでいる。

 「学習性無力感」とは、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが1967年に発表した理論で、人が失敗を繰り返していくうちに「自分にはできないかもしれない」という無気力感を覚えて、その状態を改善する気力を失ってしまうという現象である。

 前回もご紹介した通り、日本人はネガティブ思考になりやすい。

 目標を十分に達成できないことが続くと、行動や気持ちも「目標を達成できない人」のようになってしまう。

 そこで、今回のプロジェクトにおいては、難易度の高い目標を設定したとしても「学習性無力感」を感じないような仕掛けが必要となった。

 つまり、適度に成功体験を積んでもらう必要があったのだ。人間の脳は気持ちのいいことが好きだ。そのため、目標を設定してそれを適度に達成してもらい、「やればできる感」を感じてもらうことが、やる気の維持につながると考えた。

 それを実現するために取り入れたのが、「達成目標」と「行動目標」だ。

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身近な目標は自分で設定するべき
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