急浮上した入管法改正。その国会での政府答弁の問題点を国会PVが緊急指摘

HBO取材班

国会PVの上西充子教授と全労連の雇用・労働法制局長である伊藤圭一氏(右)

 安倍政権が進める入管法の改正(改悪)については、本サイトでも関連する話題を幾度となく報じてきたが、今国会においていよいよその成立が危ぶまれてきた。(参照:「安倍政権による事実上の移民受け入れ宣言『骨太の方針』の『骨なし』っぷり」、「政府が検討する外国人技能実習生の『特定技能(仮称)』制度は、奴隷的労働を延長させるだけだ!」、「事実上の『移民』受け入れを進める安倍政権。真に受け入れるなら『人として』生活できる制度づくりをせよ」)

 そんな中、本サイトにも寄稿していただいている法政大学教授の上西充子先生が中心となって、国会審議を広く世間に知らしめるべく活動している国会パブリックビューイング(以下、国会PV。Twitter IDは@kokkaiPV)が11月8日に東京は有楽町で入管法改正をめぐる国会審議についての国会PVを緊急街頭上映した。その様子をお伝えしたい。

 まず冒頭、国会PVの意義説明の後に、今回急浮上してきた入管法改正の目玉とされている「新たな在留資格」についての説明がパネルで紹介された。

 新たな在留資格とは、安倍政権の「事実上の移民受け入れ」とされる在留資格で「特定技能」と呼ばれるものだ。

 2018年11月5日 衆議院予算委員会 立憲民主党・民友会 蓮舫議員の資料より抜粋して再構成したパネルでは

●特定技能1号
 ・通算で上限5年
 ・技能水準:相当程度の知識又は経験を必要とする技能
 ・家族の帯同:基本的に認めない

●特定技能2号
 ・在留期間:期間ごとの更新
 ・技能水準:熟練した技能
 ・家族の帯同:要件を満たせば可能
と紹介されている。

 一見すると、特定技能実習で来日して働く外国人が「もっと働ける」ようにするように思えるが、本質的に大きな問題を抱えている。それは、人権侵害や奴隷的労働が横行している現状の技能実習制度を、さらに延長させるかのような制度であるという点だ。

 この案が発表されたとき、外国人労働問題や入管問題に詳しく、当サイトでも何度もコメントしていただいている弁護士の指宿昭一氏が、いち早く“奴隷的労働が蔓延していると批判されている技能実習制度(最長5年)を温存し、その後に、5年間の「特定技能(仮称)」を認めるという制度が検討されている。「技術移転を通じた国際貢献」という建前もかなぐり捨て、労働力確保のためのなりふり構わぬ制度案”、“10年間、家族の呼び寄せも認めず、その後の永住申請も認めない。労働者の人権保障も多文化共生も考慮しないという「移民政策」を導入するつもりか!?”と舌鋒鋭く批判したほどひどいものだ。




 そして、この改正入管法について、いったいどのような国会審議が行われているか? それらを明らかにすべく、上西教授は国会PVの緊急街頭上映を決めたという。

 この入管法改悪について、簡単に内容をまとめると、問題点は以下の3点に絞られる。

1つは、「単純労働の受け入れ」だとしか思えない点。
2つめは、業種も人数も決まっていないまま、来年4月に施行されようとしている点。
3つめは、技能実習生を巡る現状が何ら改善されないままの、「改正」されようとしている点だ。

 これらの問題点について、国会PVが国会での議論のどのような部分を紹介したのか、順を追って紹介したい。

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業種も人数も決めず枠組みだけ拙速に決める安倍政権

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