調書は34万ページ、さらに追加で1万4000ページ
34万ページに及ぶ調書、11万7000回の録音、更に写真とビデオ。それに最近加えられた1万4000ページの追加調書。弁護側はこれらの資料を入念には把握して行くにはさらに時間が必要だとして公判の延期を要請していたが、コーガン裁判長はそれを拒否したそうだ。
弁護側はエル・チャポは主犯ではなく、他にもっと勢力のあった組織からの圧力があったとして彼の無罪を追及して行きたいとしているが、ショーン・ペンとの録画で彼は自分自身のやって来たことを告白していることは彼自身を非常に不利な立場に追い込んでいるとされている。
陪審員は公判の期間中は24時間警護体制が敷かれ、また彼に不利な証言をすると思われる証人がエル・チャポに契約されたシカリオ(暗殺者)によって殺害されることを警戒して証人として発言する人のリストは未公開になっている。
これから4か月間ニューヨーク市民もブルックリン橋が一時閉鎖される度にエル・チャポのことを思い出すことになろう。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身