ELNはベネズエラの8つの州の学校にまで行って子供達に教材を支給してELNの活動に馴染ませて教化しているという。それに学校側が抵抗すると、身の安全に危険が及ぶようになるといって学校側を脅迫するという手口を実行しているという。
このような形でこれまで15000人のベネズエラの青少年を対象にコロンビアの犯罪組織が加入を勧誘したそうだ。
また、ベネズエラのラジオを利用して彼らに思想教育もしているそうだ。また、ベネズエラのコロンビアとの国境地域の食料の支給担当している生産配給委員会もELNの隊員がベネズエラ軍の車を使ってその配布を担当しているというのである。ELNが如何に官僚レベルにまで癒着しているかという証拠である。(参照:「
Infobae」)
半世紀の間存続して22万人の犠牲者を出し、凡そ6万人が国内を移動せねばならないという状況を生んだFARCであった。が、サントス前大統領の主導でFARCを解散させて今後の国民への危険はないと思わせた。ところが、実際にはそうではなくFARCは再生し、そのライバルであったELNは以前より成長している。しかも、ドゥケ大統領にはELNとの和平交渉を継続する意思は消極的だ。コロンビアの前途は多難である
<文/白石和幸 photo by
Julián Ortega Martínez via flickr(CC BY-SA 2.0)>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身