安倍首相、管官房長官と玉城知事が面談、しかし「従来の政府の方針に変わりはない」
県民葬で献花する参加者たち。2400人の会場は入りきれず、残りの参加者は会場外のモニターで見守った
玉城知事と菅氏との面談はその後、10月12日に官邸内で実現。安倍晋三首相との面談も同時にセットされたが、玉城知事は政権トップとのやりとりについてこう語った。
「安倍首相はフレンドリーな雰囲気でしたが、菅官房長官は『従来の政府の方針に変わりはない。事務方としては辺野古新基地建設を進める』と言っていました。そこで私が『アメリカの国民世論に訴えていきます』と言ったら、菅長官は『それはやられた方がいいのではないですか』と言っていましたが、ちょっと固まった表情でした」
玉城知事は官邸を出た後、県知事選で支援を受けた立憲民主党や国民民主党や共産党などの野党幹部に挨拶。辺野古新基地建設阻止で野党と沖縄県が連携していくことで一致した。古巣の自由党では「良かった。良かった」と満面の笑みを浮かべる小沢一郎代表に「(政権交代実現までは)まだ引退できませんよ。これからが大事なところですよ。私たちの船出は始まったばかりです」と声をかける場面もあった。
玉城知事は野党幹部に「11月にもアメリカに行きたい」とも語り、早期の訪米への意欲も示した。県民葬に続いて官邸初面談でも「民意を無視して辺野古新基地建設を進める」という強行姿勢に変わりのない安倍政権に対して、玉城知事は野党連携やアメリカ世論への訴えなどで対抗しようとしている。今後の両者の応酬が注目される。
<取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた
『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他
『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数