若獅子寮新設は埼玉西武ライオンズに何をもたらす? 潮崎哲也二軍監督を直撃
埼玉県所沢市へ本拠地を移して40周年。そんな節目の年に‘08年以来のパ・リーグ優勝を果たした埼玉西武ライオンズ。圧倒的な強さでペナントを制したその裏では、180億円規模というメットライフドーム周辺の大規模改修が着々と進んでいる。
メットライフドームの全面改修など、ファンならずとも注目の事業。その目玉のひとつが、幾多の名選手を輩出した選手寮=若獅子寮の新設だ。
今回はその新設、そしてチームのマネージメント術について、現役時代・魔球シンカーで数々の打者を沈めた潮崎哲也二軍監督に話を聞いた。
――新たな若獅子寮の建設が始まっていますが、ご自身が現在の寮を初めてご覧になったときはどう思いましたか?
潮崎:僕は社会人野球の時代も寮生活をしていて、そのときは2人暮らしでしたから。一人部屋をもらえて快適だなと思いましたね。
――埼玉西武ライオンズでは、寮の隣にメットライフドーム、西武第二球場、室内練習場と設備が揃っていますね。
潮崎:練習環境は12球団でも抜群じゃないですかね。仕事場はすぐそこやし、練習場はすぐそこやし、一人部屋だし。スゴくいい環境だなと思いました。
――寮のなかでは、どのようにプライベートの時間を過ごすんですか?
潮崎:今のコたちはゲームとかでしょうね。私の時代は……テレビを観て、ボーッとするぐらいしかなかったんじゃないですか(笑)。遠征が大変なので、本拠地での試合のときは、のんびりすることが多かったですね。
――寮生活で印象に残っている思い出は?
潮崎:これだけ大人数で生活しているのに、いつも晩飯を一人で食べているという(笑)。ちょっとさみしい思いをしていましたね。当時、寮生で一軍だったのが僕だけだったんですよ。起きるのは11時ぐらい。でも、ファームの選手は9時すぎから練習している。僕は夜帰ってくるのは、21時半、22時ぐらい。でもファームの選手は22時門限だったのかな? 食事がいつも一人なのが寂しかったですね。
――新しい寮ができることについては、どう思いますか?
潮崎:真新しい寮ができるということで、選手のやる気も絶対変わってくるでしょうね。室内練習場もスゴくいいものができると聞いています。快適すぎてもダメなので、練習環境さえしっかりしてればいいと思います。
――寮暮らしでは、体のケアはどのように行なっているんですか?
潮崎:24時間常駐しているわけではありませんが、優秀なトレーナー陣が揃っていて、朝早くから一番遅くまで残っていただいています。そういう面では万全の環境ですね。
――現在、メットライフドーム周辺では寮以外でも改修が進んでいますが、球団内部の人間としても嬉しいものですか?
潮崎:もちろんです! ファームの人間が一番嬉しいんじゃないですかね。西武第二球場も、改修するうえでファンの方が観るための環境なども考えていただいています。
――西武第二球場では、ファームの試合でも、熱心に通われるファンの方を目にしますね。
潮崎:そうなんですよ。一軍の観客動員数も増えていますが、ファームも増えている。「今日もこのおっちゃん来てるの?」なんて人もいらっしゃいますし(笑)。本当に昔より多くの方に観にきていただいていますね。
――改修によってスタンドができるそうですが、選手もよりモチベーションが上がりますよね。
潮崎:やっぱり、人に観られることが一番選手の成長に繋がると思うんですよね。ファームの選手は、なかなか練習をファンの方に観てもらえる機会が少ないですけど、観てもらうことでアドレナリンの出方も違ってくるので。上達するには人の目は必要だと思います。
――今後、新たな施設が加わって、ますます練習環境はよくなりそうですね。
潮崎:コンパクトですべてがまとまっているという意味では、12球団ナンバーワンでしょうね。一軍の選手でも、ナイターの試合が終わってから、室内練習場に打ちに来るんですよ。それができるのも、この環境ならではですからね。
ファンの目が選手を育てる
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