定住人口ではなく、夕張市に関係する人々を増やしていく「関係人口」増加計画
夕張市は37歳の若き鈴木直道市長のもと、財政再建一辺倒を見直して、地域再生への両立を図った財政再生計画を進めている
夕張市も2017年3月に財政再生計画を見直し、2017年度からは新たな計画に基づいて再建を進めている。それまでの「財政再建」一辺倒から、「地域再生」への両立を図ったものだ。
現在、財政難で老朽化が進んだインフラの整備費用など、46項目の新規事業計113億円を盛り込んだ計画を進めている。夕張市は「国、北海道及び夕張市の三者協議」の開催結果のなかで、「新たな課題と解決の方向性」として「(1)夕張高校魅力化 (2)ふるさと納税の今後の募り方 (3)交流人口の拡大」をあげている。
最近、「地方創生」の流行のキーワードとして「人口」をどう定義するかというのがある。人口減少社会のなかで、定住人口を増やすのは難しい。そこで、観光客も含めた「交流人口」や「ふるさと納税」を含めた「関係人口」をいかに増やすかという視点になっているのだ。
「みんな離ればなれになりますが、どこに行っても輝いて、夕張の希望の光になりたいと思います」というのは、2018年3月の夕張高校卒業式の卒業生からの答辞の一節だ。夕張の再挑戦が始まった。
<文・写真/松井克明(八戸学院大学講師、地方財政論)>