人材を育て、全国に輩出していくことが、夕張の未来にもつながっていく
本田氏のかかわる小学生のバレーボールチーム(夕張J.V.Cレガメッツ)が、全日本バレーボール小学生大会南北海道大会で優勝し、全国大会出場(男女混合の部)を決めた際にも、寄付金が想定以上に集まったという。
「150万円の寄付金を募ったところ、300万円を超える寄付金が集まりました。子どもたちが少なくなり、団体競技が困難な中での快挙に対する期待の声の高さを感じました。ここ数年の、地域の熱い支援が感じられます。
夕張には大学はおろか、専門学校すらないのが現実です。18歳になれば、ほとんどがいったんはこの町を出て行かざるをえない。それまでに問題解決能力のある若者を育てて、人材を全国に輩出していくことが、夕張の未来につながっていくと考えています」(本田氏)
JRの支線が廃線になるも、活気を取り戻しつつある夕張の町
廃線間近の夕張支線(16.1km)に、多くの鉄道ファンが記念乗車
夕張の町は夕張駅を中心に活気が出ている。1日に5本のJR北海道石勝線(夕張支線)の夕張駅前は列車が到着するたびに鉄道愛好家が乗降し、それぞれの最後の一枚の写真や動画を撮ろうと取り囲む。
夕張支線(新夕張駅―夕張駅間 16.1km)は2019年3月のダイヤ改正時(4月1日)に廃止になることが決まっているからだ。夕張市はこの廃止を「積極的な廃線」として南清水沢地区に児童館などを併設した拠点複合施設を設け、代替バス便(10往復程度)によるコンパクトシティ構想を打ち出している(代替バス運行費用の20年間の地元負担分7億円をJR北海道が拠出)。3月の夕張支線のラストランに向けて、今後さらに注目されるだろう。
駅に隣接したマウントレースイスキー場を併設する、ホテルマウントレースイには連休になると観光バスが乗りつけ、アジア人ツアー客が乗降する。北海道の空の玄関口・千歳空港と人気観光地・富良野間(約150km、2~3時間)の中間に位置するという好立地が評価されているのだ。
さらに、このスキー場やホテルなど4施設は2017年4月に中国人社長率いる元大グループ(東京都・墨田区)が買い取り、運営を行っている。火鍋レストランにフードコートなどを展開し、町は活気を取り戻しつつある。