秋の行楽シーズンに知っておきたい鉄道利用のコツ

HBO取材班

ばりろく / PIXTA(ピクスタ)

行楽の秋がいよいよ、始まった。たびたび台風がやってくるので予定を立てづらいかもしれないが、せっかくの連休最後は、やはりどこかに出かけたいもの。台風のような大雨ならともかく、多少の雨でも安心して楽しめる行楽といえば、やはり列車の旅。ある鉄道ライターは「秋にも『青春18きっぷ』に似たフリーきっぷ、『秋の乗り放題パス』が発売されるので、それを利用するのがおすすめ」と話す。

ライトユーザーにもお得な「秋の乗り放題パス」

 この「秋の乗り放題パス」は10月6日~21日まで使用できるJRグループのフリーきっぷで、連続した3日間で使用でき、JRの普通列車が乗り降り自由。料金は7710円なので、1日あたり2570円ということになる。1日あたりの料金は「青春18きっぷ」より多少高い程度だ。

 ただ、18きっぷは5回分を一気に続けて使ってもいいし、有効期間中なら何回かにわけて使ってもかまわない。また、友人などと一緒に使うことも可能。それができない「秋の乗り放題パス」は、鉄道ファンの間では使い勝手で劣るという見方もあるようだ。春・夏・冬の18きっぷシーズンとは違って秋には長い休みもなく、3日間連続で使える人はどうしても限られてしまうだろう。

 ところが、前出のライターは「個人的には、使い方次第では『18きっぷ』よりも便利だと思う」と話す。

「『18きっぷ』は1枚で5回(5日)分。人間ですから、どうしてもそれを使い切りたくなるものです。ところが、ガチの乗り鉄でなければ、5日間鉄道乗りっぱなしは意外と難しい。結局1日や2日分余らせてしまうこともあります。その点、『秋の乗り放題パス』は連続使用という条件こそありますが、3日分なので一般の人でも使いやすい。そもそも“1日あたり”の金額ではなく、トータルで考えれば、2日で元が取れるならそれでいいわけですし」

 「秋の乗り放題パス」、1日あたりで計算すれば2570円。それに見合うだけ列車に乗れば元が取れるということになる。が、何も1日単位で考える必要はなく、1日だろうが3日だろうが7710円分列車に乗れば、それで充分お得になるというわけだ。ならば、週末の2日間だけでも、このきっぷを利用しない手はない。

「さらにつけ加えると、『18きっぷ』を含めたこうしたフリーきっぷの強みは、エリア内ならば乗り降りはもちろん、行くも戻るも自由ということ。原則100㎞を超える長距離きっぷなら普通の乗車券でも途中下車はできますが、戻ることはできません。行ったり来たりしながら気ままな列車の旅をする。それを存分に楽しめるのが、フリーきっぷ最大の魅力なんです。何も、元を取るべく長距離で乗りまくれば『きっぷをうまく使っている』というわけではありません」

 とは言っても、多少は元を取ることも考えつつ、気ままな列車の旅をするというのは、それこそ“乗り鉄”でもなければ一筋縄ではいかないイメージだ。分厚い時刻表と首っ引きで綿密な計画を練らなければもったいない……と思ってしまいがちだが、乗換案内アプリなどを使うのが当たり前の時代。時刻表をうまく読める人は少ないだろうし、そもそも綿密な計画をたててしまえば“気ままな旅”とは正反対だ。

「宿泊する目的地を決めて、その往復で途中下車をしながら楽しむプランが簡単でおすすめです。例えば、東京から郡山なら新幹線を使わず片道で4000円。往復すればそれだけできっぷの元が取れる計算です。約4時間ほどかかりますが、その途中で宇都宮の餃子や白河のラーメンを食べたり、ついでに日光に立ち寄って軽く観光したりすることは充分可能です。さらに福島まで足を伸ばして飯坂温泉に宿泊するのもいいかもしれません。一般的には宿泊する目的地まで一直線に新幹線や飛行機などで行くのが普通の旅行ですが、鉄道は“その途中”を楽しめるのが最大のメリット。下車する駅を決めておくのもいいですし、車窓を眺めてなんとなく気になったところに降りてみるというのもいい。移動しながら途中で少しずつ“いいところどり”をしつつ、宿泊地まで向かうという旅が、フリーきっぷの一番賢くて簡単な使い方ではないでしょうか」

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そのほかにも便利なフリーきっぷが
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