元日経記者がグランドキャニオンで味わった信用取引の恐怖から得た教訓とは?

投入資金を上回る信用取引は控える

 これは、「預入金を上回る信用取引は差し控える」ということです。信用取引の魅力は預入金の約3倍の取引ができることですが、維持率100%以上とは、信用取引の取引額を預入金の7~8割に抑制することです。  100万円の保証金なら最大約300万円の取引ができますが、石橋攻略では信用取引をする場合、取引額は70~80万円程度に制限します。 「石橋攻略」でネット株の売買を始める場合、最初は預入金100万円程度でも構いません。仮に、100万円の預入金で始める場合、信用取引では最大300万円の取引ができます。しかし「石橋攻略」では、信用取引の金額を70~80万円の取引にとどめます。  70万円の場合の維持率は約143%、80万円なら125%です。維持率を100%以上に保っておけば、大暴落でも起こらない限り追証の心配はまずありません。  維持率100%以上なら、私がグランドキャニオンで味わったような恐怖に追い込まれることはなかったと思います。 ◆石橋叩きのネット株投資術 第15回 <文/三橋規宏> みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、『ゼミナール日本経済入門』(同)、『環境経済入門』(日経文庫)、『環境再生と日本経済』(岩波新書)、『サッチャリズム』(中央公論社)、『サステナビリティ経営』(講談社)など。
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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