ZOZOTOWNの前澤氏、2023年に月旅行実施を発表! 彼が乗るスペースXの新型宇宙船「BFR」とは?

BFRの想像図

BFRの想像図 (C) SpaceX

「歌ったことのないような歌、 描いたことのないような絵を」

 今回の発表を冷ややかに見れば、マスク氏と前澤氏、そして彼らの企業にとっての宣伝行為であり、あるいはマスク氏にとっては、ここ最近の失態(テスラの問題や、ツイートの炎上など)から目をそらすという目的もあるのではと考えてしまうところではある。  しかし、今回の発表の一番の意義、そして価値は、音楽家や画家、映像作家、ファッションデザイナーといったアーティストを宇宙に連れて行くという発想が出てきたこと、そしてほんのわずかでも、その実現の可能性が見えてきたということだろう。  これまで宇宙飛行といえば、科学者やエンジニア、軍人が中心で、宇宙旅行も実業家に限られていた。彼ら・彼女らが宇宙で歌を歌ったり、俳句を詠んだりしたことはあったものの、純粋なアーティストが、宇宙で何らかの作品を生み出した例はない。  前澤氏は「パブロ・ピカソが月を間近に見ていたら、どんな絵を描いたんだろう。ジョン・レノンが地球を丸く見ていたら、どんな曲を書いたんだろう。彼らが宇宙に行っていたら、今の世界はどうなっていたんだろう。まだ一度も見たことのないような夢を見ることができるかもしれない。歌ったことのないような歌が歌えるかもしれない。描いたことのないような絵が描けるかもしれない」と語り、その意義を訴える。  芸術史におけるその価値は専門家に話を譲りたいが、たとえば自分の、そしてあなたの好きなアーティスト――歌手でも画家でも――が宇宙に行ったら、どんな作品が生み出してくれるのか、少し想像しただけでもわくわくする。  その“わくわく”こそ、人類の心を豊かにし、夢を抱き、その夢に向かって歩き続けることができる原動力である。翼を持たない人類は、その想像力と創造力を翼にして、宇宙へ飛び出し、いまから半世紀前に月に降り立つことさえできた。そして芸術家を月に連れて行くという目標も、そしていつか誰でも宇宙へ行ける時代も、きっと叶うことだろう。
BFRの船内の想像図

BFRの船内の想像図 (C) SpaceX

<文/鳥嶋真也> 宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)など。 Webサイト: http://kosmograd.info/ Twitter: @Kosmograd_Info(https://twitter.com/Kosmograd_Info) 【参考】 ・First Lunar BFR Mission | SpaceX(https://www.spacex.com/webcast) ・#dearMoon(https://dearmoon.earth/ja/
宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。 著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆。 Webサイト: КОСМОГРАД Twitter: @Kosmograd_Info
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